年齢差が大きい夫婦の配偶者ビザ|審査で見られる点と立証方法
年齢差が大きいこと自体は不許可の理由になりません。入管が見ているのは年齢差ではなく、結婚の実態があるかどうかです。 年齢差のある夫婦は、他の夫婦より交際の経緯と現在の生活を丁寧に説明する必要があります。 この記事では、入管が年齢差のある申請で確認している3つの点と、それぞれの立証方法を解説します。
年齢差そのものは審査基準にない
出入国管理及び難民認定法にも、入管の内部基準にも「年齢差が何歳以上なら不許可」という定めはありません。20歳以上離れた夫婦でも許可は日常的に出ています。
ただし、審査官は年齢差が大きい申請を「結婚の実態を確認する必要がある申請」として扱います。過去の偽装結婚事案に年齢差の大きいケースが多かったためです。年齢差があると、審査官は「この二人はなぜ結婚したのか」を書類から読み取ろうとします。その答えが書類に書かれていなければ、追加資料の提出を求められるか、不許可になります。
年齢差のある申請は、審査基準が厳しくなる申請ではなく、説明すべきことが増える申請です。説明が書類に書かれていれば、年齢差は問題になりません。
入管が確認している3つの点
交際の経緯に無理がないか
審査官が最初に見るのは、質問書に書かれた交際経緯です。年齢差がある場合、次の点が確認されます。
- どこで知り合ったか(職場、紹介、アプリ、旅行先など)
- 知り合ってから結婚までの期間
- その間に何回会い、どのように連絡を取っていたか
- 結婚を決めた理由と、どちらから申し出たか
- 双方の親族が結婚を知っているか
出会いから結婚までの流れが自然に読めれば、年齢差は問題になりません。逆に、出会って数回会っただけで結婚している、親族に紹介していない、共通言語がないといった要素が重なると、年齢差と合わせて疑いが強まります。
生活の実態があるか
結婚後に同居し、夫婦として生活しているかが確認されます。立証に使う資料は次のとおりです。
- 住民票(同一世帯であること)
- 賃貸借契約書や住宅の名義(二人の名前が入っているとよい)
- 二人で写っている写真(結婚式、親族との食事、旅行、日常の風景)
- 家計を共にしていることを示す資料(公共料金の名義、生活費の振込記録)
写真は枚数より内容で判断されます。異なる時期、異なる場所、親族や友人と一緒に写ったものを選びます。同じ日に同じ場所で撮った写真を何枚も出しても、立証の効果はありません。
海外から呼び寄せる認定証明書交付申請の場合は、まだ同居していないので、日本での生活の準備状況を示します。住む予定の住居の契約書、来日後の生活設計、渡航歴と滞在中の写真が中心になります。
経済的に安定しているか
年齢差がある場合、年上の配偶者が退職後で年金生活であることがあります。収入が年金のみでも、生活を維持できる水準であれば問題ありません。年金振込通知書、預貯金の残高証明書、不動産の登記事項証明書などで立証します。
年下の配偶者が主に収入を得ている場合は、その配偶者の在職証明書と課税証明書で立証します。どちらの収入で生活するのかを質問書と資料で一致させておくことが必要です。
立証の進め方
質問書の交際経緯欄を厚く書く
質問書の交際経緯は、年齢差のある申請で最も重要な書類です。様式の欄に収まらない場合は別紙を付けます。書く内容は次の順です。
- 出会った場所と状況(紹介者がいる場合は氏名と関係)
- 交際に発展したきっかけ
- 会った回数と時期(渡航歴と一致させる)
- 結婚を決めた経緯と、年齢差についてどう話し合ったか
- 親族への報告と反応
年齢差について夫婦でどう考えているかを一文入れておくと、審査官の疑問に先回りして答えられます。「年齢差について互いの親族から心配の声があったが、何度も会ってもらい理解を得た」といった事実があれば、そのまま書きます。
書いてはいけないのは、事実と異なる美化です。質問書の内容は、渡航歴、写真の日付、通話記録と照合されます。食い違いがあると、年齢差より食い違いのほうが不許可の理由になります。
第三者の証言を添える
親族や友人の陳述書は、結婚の実態を補強する資料になります。結婚式や食事会に参加した人に、二人の関係を知った経緯と現在の様子を書いてもらいます。書いてもらう人は、日本人側の親族1名、外国人側の親族1名、共通の友人1名の3通程度が目安です。日本語で書けない場合は翻訳文を付けます。
陳述書には、書いた人の氏名、住所、連絡先、申請人との関係を明記します。入管から確認の電話が入る場合があるので、書いた人には事前に伝えておきます。
連絡記録を時系列で整理する
LINEやメッセージアプリの履歴、通話記録、渡航時の航空券は、交際期間中の継続的な関係を示す資料です。すべてを出す必要はありません。交際の始まり、結婚の申し出、結婚準備の時期など、節目の記録を選び、日付順に並べて説明文を付けます。
外国語のやり取りは、該当部分に日本語の要約を添えます。全文翻訳は不要ですが、何についての会話かが分からない記録は立証資料になりません。
年齢差に加えて注意が必要なケース
年齢差があるだけなら立証で対応できますが、次の要素が重なる場合は、申請前に対策を立てる必要があります。
- 交際期間が3か月未満
- 会った回数が2〜3回
- 共通言語がなく、翻訳アプリだけで会話している
- どちらかに離婚歴が複数回ある
- 年上側に収入がなく、年下側の収入も不安定
- 出会いが勤務先の飲食店で、客と従業員の関係だった
これらが重なる申請は、書類をそろえるだけでは足りません。弱い点を補う資料を先に用意し、質問書で説明しておく必要があります。たとえば交際期間が短い場合は、短い期間に何回会い、どのくらいの頻度で連絡を取っていたかを具体的に示します。共通言語がない場合は、どうやって意思疎通しているか、語学の学習状況を示します。
不許可になった場合の対応
年齢差のある申請が不許可になった場合、入管で不許可理由を確認してから再申請します。不許可理由が「婚姻の実態が確認できない」であれば、前回の申請で足りなかった立証を補います。不許可理由を確認せずに同じ書類で再申請しても、結果は変わりません。
再申請までに待つべき期間の定めはありませんが、前回と同じ内容では意味がないので、追加資料をそろえてから申請します。
よくある質問
Q. 何歳差から審査が厳しくなりますか。
A. 明確な線引きはありません。実務では15歳以上の差があると、交際経緯の確認が丁寧になる傾向があります。10歳差程度では、他の要素に問題がなければ通常の審査です。
Q. 年上の配偶者が年金生活でも許可は出ますか。
A. 出ます。年金額と預貯金で生活が維持できることを示せば、収入面の要件は満たします。年金振込通知書と残高証明書を用意してください。
Q. 年齢差があると審査期間は長くなりますか。
A. 追加資料の提出を求められると、その分だけ長くなります。最初の申請で交際経緯と生活実態を十分に説明しておけば、追加資料なしで許可が出る場合も多くあります。
Q. 子どもがいない場合、不利になりますか。
A. 子どもの有無は審査要件ではありません。年齢差のある夫婦で子どもがいないのは自然なことなので、不利にはなりません。
Q. 親族に反対されて紹介していない場合はどうすればよいですか。
A. 反対されている事情を質問書に正直に書きます。隠すより、事情を説明したうえで、友人など他の第三者の陳述書を添えるほうが審査には通りやすくなります。
Q. 妻が年上の場合も同じ審査ですか。
A. 同じです。どちらが年上かで審査の方法は変わりません。
年齢差のある配偶者ビザは当法人にご相談ください
当法人は、年齢差のある夫婦の配偶者ビザ申請を数多く扱っています。交際経緯の整理から質問書の作成、第三者陳述書の依頼文の作成まで、申請前に弱い点を洗い出して対策します。年齢差や交際期間に不安がある方は、無料相談でお聞かせください。
