配偶者ビザの質問書の書き方|審査官に響く記入のポイントと具体例を解説

配偶者ビザの質問書の書き方|審査官に響く記入のポイントと具体例を解説

さむらい行政書士法人

配偶者ビザの申請書類の中で、最も許可・不許可を左右すると言われるのが「質問書」です。

申請書がお二人の「履歴書」だとすれば、質問書はお二人の「恋愛の日誌」です。ただ事実を羅列するだけでなく、二人の結婚が本物であることを、審査官にストーリーとして伝えることが求められます。

審査官はお二人のことを何も知りません。どこで出会い、どんな会話をして惹かれ合ったのか、なぜこの人と結婚しようと思ったのか——その全てを、数枚の紙から読み取って判断します。どれだけ心から愛し合って結婚していても、質問書の書き方が不十分だというだけで不許可になるケースが実際に起きています。

この記事では、出入国在留管理庁が公式に定める質問書の様式に沿って、各セクションの書き方と注意点を具体例を交えながら解説します。なお、質問書の様式については、出入国在留管理庁のホームページに公開されています。

参考:出入国在留管理庁「質問書」様式

 

質問書の入手方法と基本的な注意点

質問書は出入国在留管理庁(入管)の公式ホームページからダウンロードできます。日本語版のほか、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語の多言語版も用意されています。

注意点としては、質問書内に下記の記載があります。

「事実に反する記入をしたことが判明した場合には申請人に係る審査上不利な扱いを受ける場合や罪に問われる場合がありますので,提出前に,記載内容に間違いがないことを確認し,ご自身で署名してください。」

引用:質問書

虚偽の内容を記入した場合は不許可になるだけでなく、場合によっては刑事上の責任を問われる可能性もあります。必ず真実の内容を正確に記入し、提出前に署名してください。

【項目別】質問書の記入内容を解説

① 基本情報・居住情報(質問1)

冒頭では、外国人配偶者(申請人)と日本人配偶者(あなた)それぞれの氏名・国籍・住所・連絡先を記入します。あわせて自宅の情報(自己所有か借家か、家賃、間取り)と日本人配偶者の勤務先情報も記入します。

注意点:同居者の有無

在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる場合)では、申請時点でまだ外国人配偶者が来日していないため、同居者は「無」で問題ありません。一方、すでに外国人配偶者が日本に在住していて在留資格の変更を申請する場合は、必ず同居した上で「有」にチェックしてください。同居していない状態で変更申請を行うと、「夫婦としての実態がない」と判断され不許可になるリスクがあります。

② 結婚に至った経緯(質問2)

質問書の中で最も重要なセクションです。入管の様式には「初めて会ってから結婚届を出されるまでのいきさつを、年月日を示しながら、できるだけ詳しく記載してください」とあります。行数が足りない場合は別紙を使用して構いません。

漠然と「経緯を書いてください」と言われても戸惑う方が多いかと思います。以下の4つのブロックに分けて書くと、整理しやすくなります。

ブロック1:初めての出会いから交際開始まで

いつ・どこで・どのようなきっかけで出会ったか、その時の第一印象、交際に至った経緯と気持ちの変化を書きます。具体的なエピソードを盛り込むことが、信憑性を高める鍵です。

<書き方の例>

妻と初めて出会ったのは2023年○月○日です。観光で来日していた妻とマッチングアプリを通じて知り合い、○月○日に渋谷の○○店で初めて会うことになりました。当日、少し遅れて息を切らしながら到着した妻が恥ずかしそうに「遅れてごめんなさい」と言った姿に、ピュアで誠実な人柄を感じ、強く惹かれたことを覚えています。恋人としての交際が始まったのは2023年○月○日です。妻が帰国した後も毎晩のように長電話でお互いの一日を共有し、ますます親密な関係になっていきました。

 

ポイントは、日本人配偶者が相手に初めて抱いた印象と、外国人配偶者が日本人配偶者に初めて抱いた印象の両方を書くことです。双方向の気持ちが描かれていると、関係の実態がより伝わります。

ブロック2:交際から結婚に至るまで

交際中にどのように関係を深めたか、プロポーズの経緯と具体的なエピソードを書きます。

<書き方の例>

交際が始まってからも毎日連絡を取り合い、順調に関係を深めていきました。2023年○月には妻が来日し、東中野に3か月間アパートを借りて同棲しました。また、○月に体調を崩した妻のためにアメリカへ渡航し、1か月ほど妻の実家で看病しました。プロポーズをしたのは2024年○月○日、妻の実家で何時間も将来について話し合った末のことでした。「Will you marry me?」と伝えると、妻は「これでずっと一緒にいられる」と喜んでくれました。

 

ブロック3:両親への報告とその反応

結婚を双方の親族が知っているかどうかは、審査で重視されるポイントです。いつ・どのように報告したか、その時の反応も具体的に書きましょう。

<書き方の例>

私の両親に結婚を報告した際には、驚きながらも嬉しそうで「何かあったらいつでも頼って」と言ってくれました。妻の父に報告した時には「新しい息子ができた」と喜んでくれました。

 

ブロック4:今後の生活について

日本でどこに住み、どのような収入で生活していくかを記入します。外国人配偶者に就労予定がある場合はその見込みも書きましょう。

<書き方の例>

現在、○○県○○市の賃貸マンション(家賃○万円)に住んでいます。私の年収は○○○万円であり、妻も現在の仕事をリモートで続ける見込みであるため、経済的な支障はございません。

 

③ 言語・コミュニケーション(質問3)

ここでは夫婦間で使っている言語、お互いの母国語、相手の言語の理解度を記入します。

最も注意すべきポイントは「お互いが相手の言語をほとんど理解できない」という状況です。 外国人配偶者も日本人配偶者も、互いの言語が「挨拶程度」や「難しい」にチェックを入れると、「どうやって夫婦としてコミュニケーションを取っているのか」という疑念を持たれます。

言語の組み合わせは「日本語」でも「英語」でも構いません。少なくともどちらかが日常会話程度以上を理解できる状況が必要です。

外国人配偶者が日本語を習得している場合は、いつ・どのように学んだかを具体的に記入します。

<書き方の例>

2020年から趣味として学び始め、私と出会ったことをきっかけに真剣に勉強を開始しました。複数の言語学習アプリとYouTube、ニュース記事を使い独学で学んでいます。また、日本語で日記を書いて私が添削するという習慣を2年間続けています。

 

このように日本語能力試験(JLPT)の合格証書など、語学力を客観的に証明できる書類があれば添付すると信憑性が高まります。

④ 紹介者・結婚式・結婚歴(質問2-②、質問4・5・6)

紹介者:紹介者がいる場合はその詳細を記入します。マッチングアプリで出会った場合は紹介者「無」で問題ありません。結婚相談所を利用した場合は会社名を記入します。

結婚式:挙式していない場合は空欄のままで構いません。結婚式を行っていないことが審査上不利になることはありません。交際経緯の説明書や写真・メッセージ履歴などで結婚の信憑性を十分に証明できれば許可は出ます。

結婚歴:初婚同士であれば初婚にチェックするだけです。再婚の方は前回の結婚期間を記入します。特に注意が必要なのは、前回の婚姻期間と今回の交際開始時期が重複しているケース(いわゆる不倫関係からの交際)です。この場合は別途理由書で経緯を丁寧に説明することが求められます。

⑤ 来日・渡航回数(質問7・8)

外国人配偶者の来日回数・時期と、日本人配偶者の相手国への渡航回数・時期を記入します。回数が多く正確に覚えていない場合は「多数回」と記載して構いません。

注意点として、来日・渡航の回数が極端に少ない場合は審査が厳しくなります。 遠距離交際から結婚に至る場合、実際に会った回数が1〜2回しかない状態での申請は「偽装結婚ではないか」という疑念を持たれやすくなります。許可の観点からは、最低でも3回以上は実際に会っていることが望ましいとされています。

⑥ 退去強制歴(質問9)

過去に退去強制(オーバーステイや不法就労などを理由とした強制退去)を受けたことがあるかを記入します。ほとんどの方は「無」に該当します。

「有」に該当する場合は、申請の進め方が大きく変わります。このケースはご自身での申請はリスクが高く、行政書士や弁護士などの専門家に依頼することを強くおすすめします。

⑦ 親族情報・結婚を知っている親族(質問10)

日本人配偶者・外国人配偶者それぞれの親族(父・母・兄弟姉妹・子など)の情報を記入し、今回の結婚を知っている親族に丸をします。

注意点として、両親が結婚を知らないケースには合理的な説明が必要です。 一般的に、結婚した場合は家族全員が知っているものだと入管は考えます。もし両親に黙っている・疎遠であるなどの事情がある場合は、なぜ知らせていないのかの理由を別紙で記入してください。

質問書を書く際の3つの鉄則

ここまで各セクションを解説してきました。全体を通じて意識してほしい鉄則を3つまとめます。

鉄則① 具体的なエピソードと日付を必ず入れる

「仲良くなりました」「愛しています」という感情だけでは審査官には伝わりません。「いつ・どこで・何があったか」という具体的な事実とエピソードがセットになって初めて信憑性が生まれます。

鉄則② 不利な情報も隠さず正直に書く

再婚・交際期間の短さ・来日回数の少なさなど、審査上不利になりそうな情報を隠すことは逆効果です。正直に書いた上で、合理的な理由と補足説明を添えることが信頼につながります。

鉄則③ 他の書類・申請書と内容を一致させる

申請書・戸籍謄本・写真の日付などと矛盾する記載があると、それだけで疑念を持たれます。提出前に全書類との整合性を必ず確認してください。

まとめ|複雑なケースは専門家への相談が確実です

質問書は、配偶者ビザ申請の中で最も許可・不許可を左右する重要書類です。

結婚に至った経緯は「初めての出会い→交際開始→結婚決意→両親への報告→今後の生活」の流れで分解して書くと整理しやすくなります。具体的なエピソードと日付を盛り込み、審査官にストーリーとして伝えることが合格への鍵です。

一方で、以下のようなケースは質問書の書き方次第で結果が大きく変わります。ご自身での対応が難しい場合は、専門家に相談することを強くおすすめします。

  • 交際期間が短い、または来日・渡航回数が少ない
  • 再婚で、前回の婚姻期間と今回の交際期間が重複している
  • 両親が結婚を知らない・疎遠である
  • 退去強制歴がある
  • お互いの言語をほとんど話せない

もし、「質問書に何を書けばいいか分からない」「自分のケースは複雑かもしれない」という場合は、さむらい行政書士法人までお気軽にご相談ください。これまで多数の申請をサポートしてきた経験をもとに、お二人の状況に合わせた質問書の作成をサポートします。初回相談は無料です。

執筆者:さむらい行政書士法人

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