インドネシア人との国際結婚は、日本で先に婚姻する方式と、インドネシアで先に婚姻する方式のどちらでも進められます。 インドネシアの婚姻法は、宗教の定めに従った婚姻を有効な婚姻としているため、インドネシアで婚姻する場合は宗教婚が前提になります。日本で先に婚姻する場合は、日本の方式で成立しますが、インドネシア側での登録に宗教に関する確認が入ることがあります。 この記事では、宗教婚の扱い、両方式の流れと必要書類、婚姻後の手続き、配偶者ビザ申請で見られる点を解説します。
インドネシアの婚姻法と宗教
インドネシアの婚姻法(1974年法律第1号、2019年改正)は、婚姻は各当事者の宗教と信仰の定めに従って行われたときに有効と定めています。実務上、異なる宗教の者同士の婚姻はインドネシア国内では登録が難しく、イスラム教徒と非イスラム教徒の婚姻では、非イスラム教徒側がイスラム教に改宗して婚姻することが一般的です。
日本で先に婚姻する場合、日本の婚姻届は宗教に関係なく受理されます。ただし、在日インドネシア大使館で婚姻要件具備証明書を申請する際や、婚姻後にインドネシア側に登録する際に、宗教に関する確認や書類を求められることがあります。
日本人配偶者がイスラム教に改宗する場合、日本国内のモスク(イスラム教の礼拝所)で改宗の証明書を取得できます。改宗は本人の信仰に関わる事項なので、手続きのためだけに形式的に行うものではないことを、夫婦で確認しておきます。
インドネシアの書類の基本
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書類 |
発行機関 |
内容 |
|---|---|---|
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独身証明書(未婚証明書) |
居住地の村・町役場(クルラハン) |
現在独身であること |
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出生証明書 |
民事登録局(ドゥクチャピル) |
出生、父母 |
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住民登録証(KTP) |
民事登録局 |
本人確認 |
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家族カード(KK) |
民事登録局 |
世帯の構成 |
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離婚証明書 |
宗教裁判所または地方裁判所 |
離婚歴がある場合 |
インドネシアは2022年にハーグ条約(アポスティーユ条約)の効力が生じたため、インドネシアの公文書は、インドネシア法務人権省のアポスティーユを受ければ日本で使えます。日本の公文書も、外務省のアポスティーユでインドネシアで使えます。
日本先行方式
流れ
- インドネシア人配偶者が、インドネシアで独身証明書などを取得する
- 在日インドネシア大使館・総領事館で婚姻要件具備証明書を取得する
- 市区町村役場に婚姻届を提出する
- 日本人の戸籍に婚姻が記載される
- 在日インドネシア大使館・総領事館に婚姻を報告する
- インドネシアの民事登録局またはKUAに婚姻を登録する(大使館経由または本人が帰国して)
- 配偶者ビザを申請する
婚姻要件具備証明書の取り方
在日インドネシア大使館(東京)または総領事館(大阪)で申請します。必要書類は、パスポート、在留カード、独身証明書、出生証明書、KTP、KK、日本人配偶者の戸籍謄本などです。
公館によっては、日本人配偶者の宗教に関する申告や、イスラム教徒同士の場合の書類を求めることがあります。事前に公館に確認します。
婚姻届の必要書類
- 婚姻届(証人2名)
- 日本人の戸籍謄本(本籍地以外に出す場合)
- インドネシア人の婚姻要件具備証明書と日本語訳
- インドネシア人のパスポート
- 出生証明書と日本語訳(役場によって要否が異なる)
インドネシア側の登録
日本で婚姻が成立した後、在日インドネシア大使館・総領事館に婚姻を報告します。さらに、インドネシア国内での登録(イスラム教徒はKUA=宗教事務所、非イスラム教徒は民事登録局)が必要です。日本の婚姻届受理証明書に外務省のアポスティーユを受け、インドネシア語訳を付けて登録します。
インドネシア国内での登録は、帰国から一定期間内(1年以内など)に行うよう定められているので、期限を確認します。
インドネシア先行方式
流れ
- 日本人が在インドネシア日本大使館・総領事館で婚姻要件具備証明書を取得する
- 宗教に従った婚姻の儀式を行う(イスラム教徒はKUAで、非イスラム教徒は教会や寺院などで)
- イスラム教徒はKUAで婚姻登録、非イスラム教徒は民事登録局で婚姻登録をし、婚姻証明書を受け取る
- 婚姻成立から3か月以内に、日本の市区町村役場または在インドネシア日本大使館・総領事館に報告的届出をする
- 配偶者ビザを申請する
日本側の準備
日本人の婚姻要件具備証明書は、在インドネシア日本大使館(ジャカルタ)または総領事館(スラバヤ、デンパサール、メダン、マカッサル)で取得できます。戸籍謄本とパスポートが必要です。インドネシア語訳を付けます。
イスラム教徒との婚姻でKUAに登録する場合、日本人側の改宗証明書を求められます。非イスラム教徒同士の場合は、宗教の儀式を行った証明(教会の証明書など)を民事登録局に提出します。
報告的届出の必要書類
- 婚姻届
- インドネシアの婚姻証明書(KUAの婚姻証明書または民事登録局の婚姻証明書)と日本語訳
- 日本人の戸籍謄本
- インドネシア人の出生証明書またはパスポートの写しと日本語訳
配偶者ビザ申請で見られる点
元技能実習生・特定技能との結婚
インドネシア人配偶者の多くは、技能実習や特定技能で来日した経歴があります。技能実習中の結婚は、実習修了後に帰国して認定申請をする流れが一般的です。特定技能からの変更は可能ですが、受入企業との関係の整理が必要です。それぞれの記事で解説しています。
宗教と生活
入管は宗教を審査要件にしていませんが、日本人配偶者が改宗した場合、改宗の経緯と、夫婦の生活における宗教の位置づけ(礼拝、食事など)を質問書で自然に説明できると、婚姻の実態の理解につながります。
出会いの経緯
実習先や職場での出会い、SNSでの出会い、インドネシアへの旅行や出張での出会いが多くなります。出会いの経緯と交際の内容を具体的に書きます。
本国の家族の了解
インドネシアでは家族の了解が結婚に大きく関わるため、本国の家族が婚姻を知り、了解していることを示す資料(家族との通話の記録、家族への紹介の記録、家族が参加した婚姻の儀式の写真)を添えます。
よくある質問
Q. インドネシア人と結婚する場合、日本とインドネシアのどちらで先に手続きすべきですか。
A. インドネシア人配偶者が日本に在留しているなら日本先行が一般的です。インドネシアで宗教の儀式を行いたい場合はインドネシア先行です。
Q. イスラム教徒と結婚するには改宗が必要ですか。
A. インドネシア国内でKUAに登録する場合は、日本人側の改宗が求められるのが一般的です。日本で先に婚姻する場合は、日本の婚姻届は宗教に関係なく受理されますが、インドネシア側の登録で宗教に関する確認が入ることがあります。
Q. 宗教が違いますが、結婚できますか。
A. 日本では婚姻届が受理されます。インドネシア側の登録は、宗教が異なる場合は難しいことがあるので、大使館に事前に確認します。
Q. アポスティーユは使えますか。
A. 使えます。インドネシアは2022年からハーグ条約の効力が生じたので、外務省または法務人権省のアポスティーユで相手国で使えます。提出先が受け入れているかは確認します。
Q. 日本で結婚した後、インドネシア側の手続きは必要ですか。
A. 必要です。大使館への報告と、インドネシア国内での登録(KUAまたは民事登録局)をします。登録の期限があるので確認します。
Q. 技能実習中に結婚しました。
A. 実習途中の配偶者ビザへの変更は原則不可です。実習修了後に帰国して認定申請をする流れになります。
インドネシア人との国際結婚は当法人にご相談ください
当法人は、インドネシア人との国際結婚手続きと配偶者ビザ申請を多く扱っています。宗教に関する手続きの整理、大使館での婚姻要件具備証明書の取得、アポスティーユの手配、インドネシア側の登録の案内、配偶者ビザ申請まで一貫して対応します。宗教と手続きの関係に迷っている方は、無料相談でお聞かせください。
