ベトナム人との国際結婚は、日本で先に婚姻する方式と、ベトナムで先に婚姻する方式のどちらでも進められます。 ベトナム人配偶者が日本に在留しているなら日本先行、ベトナムにいるならベトナム先行が、配偶者ビザ申請まで最も早く進みます。 ベトナムはハーグ条約(アポスティーユ)に加入していないため、日本の書類をベトナムで使うには外務省の公印確認と在日ベトナム大使館の領事認証が必要です。この記事では、両方式の流れと必要書類、婚姻後の手続き、配偶者ビザ申請で見られる点を解説します。
ベトナムの書類の基本
国際結婚で使うベトナムの書類は、主に次のとおりです。
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書類 |
発行機関 |
内容 |
|---|---|---|
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婚姻状況証明書 |
本人の常住地の社・坊(最小行政単位)人民委員会 |
現在独身であること、または離婚・死別の状況 |
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出生証明書 |
出生地の人民委員会 |
出生、父母 |
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離婚判決書 |
裁判所 |
離婚歴がある場合 |
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身分証明書(CCCD)、パスポート |
公安 |
本人確認 |
婚姻状況証明書は有効期限が発行から6か月とされており、期限内に手続きをします。ベトナム国内で本人または委任を受けた家族が取得します。
日本先行方式
流れ
- ベトナム人配偶者が、ベトナムで婚姻状況証明書を取得する
- 在日ベトナム大使館・領事館で婚姻要件具備証明書を取得する
- 市区町村役場に婚姻届を提出する
- 日本人の戸籍に婚姻が記載される
- 在日ベトナム大使館・領事館に婚姻の記録手続き(婚姻の記載)を申請する
- 配偶者ビザを申請する
婚姻要件具備証明書の取り方
在日ベトナム大使館(東京)、総領事館(大阪、福岡)で申請します。必要書類は、パスポート、在留カード、ベトナムで取得した婚姻状況証明書、出生証明書、日本人配偶者の戸籍謄本などです。
ベトナムの婚姻状況証明書に「日本人の○○と婚姻するため」と目的が記載されている場合があります。婚姻相手の氏名が記載されたものを求める公館もあるので、取得時に用途を伝えます。
婚姻届の必要書類
- 婚姻届(証人2名)
- 日本人の戸籍謄本(本籍地以外に出す場合)
- ベトナム人の婚姻要件具備証明書と日本語訳
- ベトナム人のパスポート
- 出生証明書と日本語訳(役場によって要否が異なる)
ベトナム側の婚姻の記録
日本で婚姻が成立した後、在日ベトナム大使館・領事館で、日本での婚姻をベトナムの戸籍に記録する手続き(婚姻の記載)をします。日本の婚姻届受理証明書または戸籍謄本に外務省の公印確認とベトナム大使館の領事認証を受け、ベトナム語訳を付けて申請します。この手続きをしないと、ベトナムでは婚姻が記録されず、ベトナム人配偶者が本国で配偶者としての権利を主張できません。
ベトナム先行方式
流れ
- 日本人が日本で婚姻要件具備証明書を取得し、外務省の公印確認と在日ベトナム大使館の領事認証を受ける
- 日本人が健康診断書(精神疾患がないことの証明)を取得する
- ベトナム人配偶者の常住地の県級人民委員会(司法室)で婚姻登録を申請する
- 審査後、二人で出頭して婚姻登録証(結婚証明書)を受け取る
- 婚姻成立から3か月以内に、日本の市区町村役場または在ベトナム日本大使館・総領事館に報告的届出をする
- 配偶者ビザを申請する
日本側の準備
日本人の婚姻要件具備証明書は、法務局または市区町村役場で取得し、外務省の公印確認、在日ベトナム大使館の領事認証を受けます。ベトナム語訳も必要で、ベトナム国内の公証翻訳が求められることがあります。
ベトナムの婚姻登録では、精神疾患がないことを証明する健康診断書が求められます。日本の医療機関で取得し、同様に認証を受けます。
必要書類は登録先の人民委員会によって異なるので、事前に確認します。審査期間は申請から10〜15営業日程度です。
報告的届出の必要書類
- 婚姻届
- ベトナムの婚姻登録証と日本語訳
- 日本人の戸籍謄本
- ベトナム人の出生証明書またはパスポートの写しと日本語訳
配偶者ビザ申請で見られる点
元技能実習生・留学生との結婚
ベトナム人配偶者の多くは、技能実習や留学で来日した経歴があります。入管は、その在留中の状況を確認します。
- 技能実習中の結婚:実習途中の配偶者ビザへの変更は原則不可で、実習修了後に帰国して認定申請をする流れが一般的です。詳細は「技能実習中の結婚と配偶者ビザ」の記事で解説しています。
- 留学中の結婚:出席率、資格外活動の時間超過が確認されます。詳細は「留学ビザから配偶者ビザへの変更」の記事で解説しています。
- 実習先からの失踪歴:失踪後に結婚した場合、在留資格の状態を先に確認します。
出会いの経緯
実習先や職場での出会い、SNSでの出会いが多く、出会いの経緯と交際の内容を具体的に書きます。実習先の社員や経営者との結婚は、交際の経緯が丁寧に確認されます。
本国への送金と家族
ベトナム人配偶者が本国の家族に送金している場合、送金の記録は家族との関係を示す資料になります。配偶者ビザの審査では、送金が多額で日本での生活費が確保できないと見られないよう、世帯の収支を説明します。
書類の氏名表記
ベトナム語の氏名はローマ字で記載されますが、声調記号の有無や、日本の書類でのカタカナ表記が書類ごとに異なると、同一人物の確認を求められます。パスポートの表記に統一します。
必要書類の取り寄せ
ベトナムの書類は、ベトナム人配偶者の常住地の人民委員会で取得します。本人がベトナムに戻れない場合は、家族に委任して取得します。委任状は在日ベトナム大使館で認証を受けます。
取得した書類を日本で使う場合、ベトナム外務省(または地方外務局)の認証と、在ベトナム日本大使館の認証が必要になることがあります。認証の要否は、提出先(市区町村役場、入管)によって異なるので確認します。
よくある質問
Q. ベトナム人と結婚する場合、日本とベトナムのどちらで先に手続きすべきですか。
A. ベトナム人配偶者が日本に在留しているなら日本先行、ベトナムにいるならベトナム先行が、配偶者ビザ申請まで最も早く進みます。
Q. 日本で結婚した後、ベトナム側の手続きは必要ですか。
A. 必要です。在日ベトナム大使館・領事館で婚姻の記録手続きをします。しないと、ベトナムでは婚姻が記録されません。
Q. 婚姻状況証明書は日本で取れますか。
A. 取れません。ベトナムの常住地の人民委員会で取得します。本人が戻れない場合は、認証を受けた委任状で家族が取得します。
Q. ベトナムで結婚するとき、健康診断書は必要ですか。
A. 精神疾患がないことの証明として求められることがあります。登録先の人民委員会に確認し、必要なら日本の医療機関で取得して認証を受けます。
Q. 技能実習中に結婚しました。
A. 実習途中の配偶者ビザへの変更は原則不可です。実習修了後に帰国して認定申請をする流れになります。詳細は技能実習の記事をご覧ください。
Q. アポスティーユは使えますか。
A. ベトナムはハーグ条約に加入していないため、使えません。外務省の公印確認と在日ベトナム大使館の領事認証が必要です。
ベトナム人との国際結婚は当法人にご相談ください
当法人は、ベトナム人との国際結婚手続きと配偶者ビザ申請を多く扱っています。ベトナム語の書類の翻訳、婚姻状況証明書の取り寄せの案内、公印確認と領事認証の手配、元技能実習生・留学生の在留歴の整理まで一貫して対応します。手続きの順序に迷っている方は、無料相談でお聞かせください。
