パブやスナックで、客と従業員として出会って結婚した夫婦は、配偶者ビザの審査で出会いの経緯を丁寧に確認されます。出会いの場所自体は不許可の理由ではありません。 確認されるのは、店での関係が本当の交際に移行したか、相手の在留歴に問題がないか、金銭の授受が交際の実態と矛盾しないかの3点です。 この記事では、それぞれの確認に答える立証の方法を解説します。
なぜ丁寧に確認されるのか
過去に、飲食店で働く外国人女性と客の男性の婚姻の中に、在留資格の取得を目的とした偽装結婚の事案が多くありました。このため、入管はこの出会い方の申請について、店での客と従業員の関係が、店の外での交際と夫婦の生活に移行したかを確認します。
確認が丁寧になるだけで、立証ができれば許可は出ます。隠して「友人の紹介」と書くと、相手の在留歴(興行ビザでの来日、勤務先の記録)から店での出会いが分かった場合、虚偽となり、出会い方より虚偽のほうが問題になります。
店での関係から交際への移行を示す
出会いの経緯を具体的に書く
質問書と理由書に、次の順で書きます。
- 店の名称、場所、相手の勤務の形態(ホステス、店員など)
- 客として通い始めた時期と頻度
- 店の外で初めて会った時期と、そのきっかけ
- 店の外での交際の内容(食事、外出、旅行)
- 相手が店を辞めた時期(辞めている場合)
- 結婚を決めた経緯
店の外での交際が始まった時期が、立証の起点になります。店に通っているだけの期間は、交際期間として評価されにくくなります。
店の外での交際の記録
- 店の外で会ったときの写真(食事、外出、旅行、自宅)
- 連絡の記録(店の営業に関する連絡ではなく、私的なやり取り)
- 相手の親族や友人と会った記録
- 自分の親族や友人に相手を紹介した記録
店の中での写真や、店の営業時間内のやり取りは、客と従業員の関係を示すだけで、交際の立証にはなりません。
相手が店を辞めた場合
結婚を機に相手が店を辞めた場合、退職の時期と、その後の生活(同居、就労、家事)を示します。店を辞めて同居を始めていれば、夫婦の生活の実態は示しやすくなります。
相手が店で働き続けている場合も、それ自体は問題ありませんが、同居の実態と家計の共有を示します。
相手の在留歴の確認
興行ビザで来日していた場合
相手が興行ビザで来日し、店で働いていた場合、興行ビザの活動範囲(歌、踊りなどの興行)を超えて接客していたかが確認されることがあります。接客が主な業務であれば、資格外活動として在留状況に問題があったとされます。
この場合、在留歴を隠さずに説明し、現在は適法に在留していること(配偶者ビザへの変更、または帰国して認定申請)を示します。過去の資格外活動は、それだけで不許可にはなりませんが、婚姻の実態の立証を厚くする必要があります。
留学や家族滞在で働いていた場合
相手が留学や家族滞在の在留資格で、資格外活動許可の範囲(週28時間、風俗営業での就労禁止)を超えて店で働いていた場合、資格外活動違反になります。風俗営業(接待を伴う飲食店)での就労は、資格外活動許可があっても認められていません。
この違反歴は審査で見られます。経緯を正直に説明し、婚姻の実態で補います。違反の程度が大きい場合は、申請前にご相談ください。
オーバーステイ中だった場合
相手がオーバーステイの状態で店で働いていた場合、通常の申請ではなく、在留特別許可の手続きになります。「過去のオーバーステイ・退去強制歴がある場合の配偶者ビザ」の記事で解説しています。
金銭の授受の説明
店での出会いでは、客として店に支払った金銭、相手への贈り物、相手の本国の家族への送金があることが多く、入管はこれらが交際の実態と矛盾しないかを見ます。
- 店への支払いは、客としての通常の利用の範囲であれば問題ありません。多額の支払いを続けていた場合、その事情を説明します。
- 相手への贈り物や送金は、交際中の援助として説明し、記録を添えます。
- 相手から「結婚すれば在留できる」といった勧誘があった形跡や、結婚に際して金銭を要求された形跡がある場合は、結婚の真意に関わるので、申請前にご相談ください。
年齢差・交際期間との重なり
店での出会いは、年齢差が大きい、交際期間が短いといった要素と重なることが多くなります。重なる要素ごとに、該当する記事の対策を組み合わせます。
- 年齢差:「年齢差が大きい夫婦の配偶者ビザ」
- 交際期間:「交際期間が短い・スピード婚の配偶者ビザ対策」
- 離婚歴:「離婚歴が多い・前婚も外国人だった場合の配偶者ビザ」
複数の要素が重なる場合は、申請を急がず、店の外での交際と同居の実態を積み上げてから申請します。
日本人側の状況
日本人配偶者の収入と生活の安定も見られます。店に通う頻度が高く、支出が多かった場合、収入とのバランスを説明します。日本人配偶者に過去に外国人との婚姻歴がある場合は、前婚の経緯も確認されます。
よくある質問
Q. パブで出会ったと書くと不利になりますか。
A. 出会い方自体は不利になりません。隠して書くほうが問題になります。店の外での交際と夫婦の生活の実態を示します。
Q. 相手は興行ビザで来日して店で働いていました。
A. 興行ビザの活動範囲を超えていたかが確認されます。在留歴を正直に説明し、婚姻の実態を厚く示します。
Q. 相手は今も店で働いています。
A. それ自体は問題ありません。同居の実態と家計の共有を示します。
Q. 店にかなりお金を使いました。
A. 客としての利用の範囲であれば問題ありません。多額の場合は事情を説明し、収入とのバランスを示します。
Q. 相手の家族に送金していました。
A. 交際中の援助として説明し、送金記録を添えます。隠すと、他の資料から分かった場合に疑いが強まります。
Q. 店で出会って3か月で結婚しました。
A. 交際期間の短さと重なるので、店の外での交際の密度と、結婚後の同居の実態を厚く示します。申請前に同居の実態を積み上げることも検討します。
店での出会いの配偶者ビザは当法人にご相談ください
当法人は、パブやスナックで出会った夫婦の配偶者ビザ申請を多く扱っています。出会いの経緯の整理、店の外での交際の記録の選び方、相手の在留歴の確認と説明、金銭の授受の整理まで対応します。出会い方の説明に不安がある方は、無料相談でお聞かせください。セミナー「国際結婚不許可事例_出会い編」でも、具体的な事例を解説しています。
