離婚歴があること自体は不許可の理由になりません。入管が見ているのは、前婚の経緯と今回の結婚に不自然な点がないかです。 前の配偶者も外国人で、その配偶者が配偶者ビザを持っていた場合は、確認が丁寧になります。 この記事では、離婚歴がある申請で入管が確認する点と、前婚の経緯を説明する方法を解説します。
離婚歴は審査要件ではない
出入国管理及び難民認定法に、離婚歴に関する定めはありません。離婚歴が1回あることで審査が変わることはほぼなく、2回以上でも、経緯が説明できれば許可は出ます。
ただし、入管は申請書と戸籍で離婚歴を把握し、次の場合に確認を丁寧にします。
- 日本人配偶者に離婚歴が2回以上ある
- 前の配偶者も外国人で、配偶者ビザを取得していた
- 前婚の離婚から今回の結婚までの期間が短い
- 前婚の期間が短い(1〜2年で離婚)
- 前の配偶者と今回の配偶者が同じ国籍
これらが重なると、審査官は「配偶者ビザを取らせるための結婚を繰り返していないか」を確認します。この疑問に、前婚の経緯と今回の結婚の実態で答えます。
前婚の経緯を説明する
離婚の理由と時期を書く
質問書には、前婚について書く欄があります。離婚の理由、離婚した時期、前の配偶者の国籍を記載します。理由は詳細である必要はありませんが、「性格の不一致」の一言より、結婚生活がどう続き、なぜ終わったかの流れが分かる程度には書きます。
離婚の理由が相手の不貞や暴力など、書きにくい内容の場合でも、事実であれば書きます。審査官は離婚の理由で善悪を判断するのではなく、経緯に不自然な点がないかを見ています。
前の配偶者が外国人だった場合
前の配偶者が配偶者ビザを持っていた場合、入管はその配偶者の申請記録を持っています。前婚の申請時に書いた交際経緯と、今回の質問書の内容が食い違わないように、前回の申請内容を確認してから書きます。
前の配偶者が離婚後に定住者や永住者になっている、または帰国しているなど、現在の状況が分かれば書きます。前の配偶者が離婚後も日本に残っていることは、申請人の不利にはなりません。
前婚と今回の結婚の時期の重なり
前婚の離婚届の日付より前に、今回の配偶者と交際が始まっている場合は、その時期を正直に書きます。別居期間中に出会ったのであれば、別居の時期と事情を説明します。離婚前からの交際を隠して書いた経緯が、通話記録や写真の日付と食い違うと、隠したこと自体が問題になります。
今回の結婚の実態を示す
離婚歴がある申請では、前婚の説明と同じくらい、今回の結婚の実態を示す資料が重要です。前婚の経緯に多少の不自然さがあっても、今回の結婚が実態のあるものだと示せれば、審査は通ります。
- 交際の経緯(出会い、交際期間、会った回数、連絡の記録)
- 同居の実態(住民票、賃貸借契約書、生活費の分担)
- 写真(結婚式、親族との食事、日常の風景を時期を変えて)
- 親族の陳述書(双方の親族が結婚を知り、関係を認めていること)
離婚歴が2回以上ある場合は、親族の陳述書を必ず添えます。今回の結婚を親族が認めていることは、繰り返しの結婚への疑いを打ち消す材料になります。
外国人配偶者側に離婚歴がある場合
外国人配偶者に離婚歴がある場合も、同じように前婚の経緯を説明します。加えて、次の点を確認します。
- 本国での離婚が正式に成立しているか(離婚証明書、判決書)
- 日本で前婚の配偶者ビザを持っていたか
- 前婚の相手が日本人で、離婚後に定住者ビザで在留していたか
フィリピン人のように本国に離婚制度がない国の場合、前婚が日本人との結婚であれば日本での離婚を本国で承認する手続きが必要です。この手続きが済んでいないと、本国では前婚が続いていることになり、今回の結婚の婚姻要件具備証明書が出ません。国ごとの手続きは、各国の国際結婚手続きの記事で解説しています。
離婚直後の再婚
前婚の離婚から今回の結婚まで数か月しか空いていない場合は、短い期間で再婚に至った事情を書きます。離婚前から今回の配偶者と交際していた、以前からの知人だった、紹介で出会ったなど、事実をそのまま書きます。
2024年4月の民法改正で女性の再婚禁止期間は廃止されましたが、相手国の法律に待婚期間が残っている場合は、相手国での婚姻手続きに影響します。相手国で婚姻が成立していなければ、日本で婚姻届が受理されていても、婚姻要件具備証明書の問題で申請が止まることがあります。
離婚歴に他の要素が重なる場合
離婚歴だけなら前婚の説明で対応できますが、次の要素が重なると、申請前の対策が必要です。
- 年齢差が大きい
- 交際期間が短い
- 前の配偶者と今回の配偶者が同じ国籍で、同じ地域の出身
- 日本人配偶者の収入が低い
- 出会いが勤務先の飲食店
同じ国籍の配偶者と繰り返し結婚している場合、審査官は紹介者やブローカーの関与を疑います。出会いの経緯と紹介者の身元を具体的に書き、紹介者の陳述書を添えます。
不許可になった場合
離婚歴のある申請が不許可になった場合、不許可理由を入管で確認します。理由が「婚姻の実態が確認できない」であれば、今回の結婚の実態を示す資料を補って再申請します。前婚の説明に食い違いがあった場合は、正しい経緯に訂正し、訂正の理由を説明したうえで再申請します。
よくある質問
Q. 離婚歴が2回あります。配偶者ビザは取れますか。
A. 取れます。前婚2回の経緯を質問書に書き、今回の結婚の実態を資料で示します。親族の陳述書を添えることを勧めます。
Q. 前の配偶者も外国人でした。不利になりますか。
A. それだけで不利にはなりません。ただし、入管は前婚の申請記録を持っているので、前回の申請内容と今回の説明が食い違わないようにします。
Q. 離婚してから3か月で再婚しました。問題ですか。
A. 短い期間で再婚に至った事情を書けば問題ありません。離婚前からの交際や以前からの知人関係があれば、隠さずに書きます。
Q. 前の配偶者と今回の配偶者が同じ国籍です。
A. 確認は丁寧になります。出会いの経緯と、前婚と無関係であることを具体的に書き、紹介者がいれば陳述書を添えます。
Q. 離婚の理由が相手の暴力でした。書きたくありません。
A. 詳細に書く必要はありませんが、理由は書きます。「配偶者からの暴力を理由に離婚」という程度で足ります。隠すより、事実を書くほうが審査には通りやすくなります。
Q. 外国人配偶者の前婚が、本国で離婚していないと言われました。
A. 本国で離婚が成立していないと、今回の結婚の婚姻要件具備証明書が出ません。本国での離婚手続きまたは日本の離婚の承認手続きを先に行う必要があります。国ごとに手続きが異なるので、当法人にご相談ください。
離婚歴のある配偶者ビザは当法人にご相談ください
当法人は、離婚歴が複数回ある、前の配偶者も外国人だったといった事情のある配偶者ビザ申請を多く扱っています。前婚の経緯の整理、前回の申請内容との照合、今回の結婚の実態を示す資料の組み立てを申請前に行います。離婚歴に不安がある方は、無料相談でお聞かせください。
