難民認定申請中や仮放免中に日本人と結婚した場合、配偶者ビザを取得できる可能性はありますが、現在の在留の状態によって手続きが大きく異なります。 特定活動(難民申請中)の在留資格があれば変更申請ができ、在留資格がなく仮放免中であれば在留特別許可の手続きになります。 この記事では、在留の状態別の手続き、難民申請を続けるかどうかの判断、審査で確認される点を解説します。
現在の在留の状態を確認する
難民認定申請中の外国人の在留の状態は、次のいずれかです。手続きの前に、どの状態かを在留カードや入管からの書類で確認します。
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在留の状態 |
内容 |
配偶者ビザへの手続き |
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元の在留資格のまま難民申請中 |
留学や技人国などの在留資格を持ったまま申請中 |
通常の在留資格変更許可申請 |
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特定活動(難民申請中)で在留 |
元の在留資格の期限後、審査中の在留として特定活動が付与されている |
在留資格変更許可申請(やむを得ない事情の説明が必要な場合がある) |
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在留資格がなく仮放免中 |
退去強制手続きの中で、収容を解かれている |
在留特別許可の手続き |
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在留資格がなく、仮滞在許可中 |
不法滞在状態で難民申請し、一定の要件で仮滞在が認められている |
仮滞在中は変更申請不可。在留特別許可の手続きを検討 |
特定活動(難民申請中)からの変更申請
元の在留資格の期限が過ぎた後、難民審査中の在留として特定活動が付与されている場合、日本人との婚姻を理由に配偶者ビザへの変更申請ができます。
ただし、難民申請中の特定活動は、審査のための暫定的な在留なので、変更申請が通常の在留資格からの変更より厳しく見られることがあります。次の点が確認されます。
- 婚姻の実態(交際の経緯、同居、生活)
- 難民申請の経緯と、婚姻との関係(在留を続けるための手段として婚姻していないか)
- 難民申請前の在留状況(元の在留資格での活動、資格外活動)
- 日本人配偶者の収入と生活の安定
2023年の入管法改正により、難民申請中の送還停止効に例外が設けられ、3回目以降の申請者などは申請中でも送還の対象になり得ます。この改正後、難民申請中の在留の扱いは以前より厳しくなっています。難民申請を複数回している場合は、その経緯も確認されます。
仮放免中の在留特別許可
在留資格がなく、退去強制手続きの中で仮放免されている場合、配偶者ビザへの変更申請はできません。日本人との婚姻を理由に、在留特別許可を求めます。
在留特別許可は、退去強制の手続きの中で法務大臣が特別に在留を認める制度です。日本人の配偶者であることは考慮される事情の一つですが、婚姻していれば必ず許可されるものではありません。次の点が総合的に判断されます。
- 婚姻の実態と婚姻期間(同居の実態があり、期間が長いほど有利)
- 日本人との間の子の有無
- 日本での生活期間と定着の程度
- 退去強制事由の内容(不法入国、オーバーステイ、刑事罰の有無)
- 難民申請の経緯
在留特別許可の手続きは、仮放免中に結婚した事実を入管に申し出て、婚姻の実態を示す資料を提出することから始まります。結果が出るまで数か月から1年以上かかることがあります。
難民申請を続けるかどうか
配偶者ビザの申請や在留特別許可の手続きと並行して、難民申請を続けるかどうかは、個別の判断になります。
難民申請を取り下げると、難民申請中の特定活動の根拠がなくなるので、配偶者ビザの変更申請が不許可になった場合に在留の根拠を失います。一方、難民申請を続けながら配偶者ビザの変更申請をすることは可能です。
難民申請の内容が本国での迫害に関するもので、帰国できない事情が本当にある場合は、難民申請を続けることに意味があります。難民申請が在留の手段として行われていた場合は、その経緯が配偶者ビザの審査で不利に見られることがあります。
この判断は、難民申請の内容、現在の在留の状態、婚姻の実態によって変わるので、申請前に当法人にご相談ください。
審査で確認される点
婚姻の実態
難民申請中の婚姻は、在留を続けるための婚姻と疑われやすいので、通常の申請より婚姻の実態を厚く示します。
- 交際の経緯(難民申請の前後どちらで知り合ったか、交際の期間と内容)
- 同居の実態(住民票、賃貸借契約書、生活費の分担)
- 写真、連絡記録
- 双方の親族の陳述書
- 日本人との間の子がいれば、出生届と養育の状況
難民申請の経緯
難民申請をした時期、理由、申請の回数、現在の審査の状況を説明します。難民申請の内容と、婚姻の経緯に矛盾がないようにします。
日本人配偶者の生活の安定
仮放免中や特定活動の外国人配偶者は就労できないことが多いので、日本人配偶者の収入で生活を維持できることを示します。
就労との関係
難民申請中の特定活動には、就労が認められる場合と認められない場合があります。仮放免中は就労できません。就労が認められていない状態で働いていた場合、資格外活動や不法就労として審査に影響します。
配偶者ビザが許可されれば就労制限はなくなりますが、許可が出るまでは現在の在留の条件に従います。
手続きの流れ
特定活動からの変更申請
- 日本で婚姻届を出し、戸籍に婚姻を記載する
- 婚姻の実態を示す資料と、難民申請の経緯の説明文を準備する
- 在留資格変更許可申請をする
- 審査(通常より長くかかることがある)
- 許可されれば配偶者ビザに切り替わる
仮放免中の在留特別許可
- 日本で婚姻届を出し、戸籍に婚姻を記載する
- 入管に婚姻の事実を申し出て、婚姻の実態を示す資料を提出する
- 退去強制手続きの中で、在留特別許可を求める事情を述べる
- 法務大臣の裁決
- 許可されれば在留資格(通常は日本人の配偶者等)が付与される
いずれも、申請前に資料を整え、経緯を整理することが重要です。
よくある質問
Q. 難民申請中ですが、日本人と結婚しました。配偶者ビザは取れますか。
A. 在留の状態によります。特定活動の在留資格があれば変更申請ができ、仮放免中であれば在留特別許可の手続きになります。まず現在の在留の状態を確認します。
Q. 仮放免中に結婚しました。
A. 配偶者ビザの変更申請はできず、在留特別許可を求める手続きになります。婚姻の実態を示す資料を整えて、入管に申し出ます。
Q. 難民申請を取り下げるべきですか。
A. 個別の判断です。取り下げると在留の根拠を失う場合があり、続けると難民申請の経緯が審査で見られます。難民申請の内容と婚姻の実態で判断するので、ご相談ください。
Q. 難民申請中は働けますか。
A. 特定活動に就労許可が付いていれば働けます。仮放免中は働けません。許可のない就労は審査に影響します。
Q. 配偶者ビザの審査は通常より厳しいですか。
A. 在留を続けるための婚姻と疑われやすいので、婚姻の実態を通常より厚く示す必要があります。
Q. 難民申請を2回しています。影響しますか。
A. 申請の回数と経緯が確認されます。2023年の法改正で複数回申請者の扱いが厳しくなっているので、経緯を整理して説明します。
難民申請中の結婚と在留は当法人にご相談ください
当法人は、難民認定申請中や仮放免中に日本人と結婚した方の配偶者ビザ申請、在留特別許可の手続きを扱っています。現在の在留の状態の確認、難民申請を続けるかどうかの判断、婚姻の実態を示す資料の組み立てまで対応します。在留の状態によって取れる手続きが大きく変わるので、婚姻届を出す前に無料相談でお聞かせください。
