国際結婚が決まり、いざ配偶者ビザの申請を調べ始めると、「必要書類が多すぎて何から手をつければいいか分からない」と感じる方は少なくありません。
配偶者ビザの新規申請には、複数のカテゴリにわたる書類の準備が必要です。何をどこで集めればいいのか、初めての方には全体像が見えにくいのが実情です。
この記事では、初めて申請する方に向けて、必要書類の全体像をロードマップ形式でわかりやすく解説します。
配偶者ビザの「新規申請」とは?更新とは何が違う?
配偶者ビザの手続きには大きく「新規申請」と「更新申請」の2種類があります。
新規申請とは、配偶者ビザをこれから初めて取得するための申請です。一方、更新申請は、すでに配偶者ビザを持っている方が在留期間が切れる前に延長する手続きです。
両者は、必要書類の内容・量・審査の厳しさが大きく異なります。特に新規申請の場合は「夫婦として生活できること」を証明する必要があるため、更新申請に比べて提出書類が多く、審査も厳格です。この記事では新規申請に特化して解説します。
STEP 1:まず自分の申請パターンを確認する
新規申請には2つのパターンがあります。必要書類の基本構成は共通していますが、一部の書類に違いがあるため、まず自分がどちらのパターンかを確認してください。
パターンA:在留資格認定証明書交付申請(海外から配偶者を呼び寄せる場合)
外国籍の配偶者が現在海外に住んでいて、日本に呼び寄せるケースです。日本に住む日本人配偶者が、入管(出入国在留管理庁)に申請します。許可が下りると「在留資格認定証明書」が発行され、それを使って外国人配偶者が現地の日本大使館でビザを取得し、来日します。
パターンB:在留資格変更許可申請(すでに日本にいる配偶者のビザを切り替える場合)
外国籍の配偶者がすでに「留学」「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で日本に在住しており、日本人と結婚したことでビザを切り替えるケースです。外国人配偶者本人が申請人となり、二人が住む地域を管轄する入管に申請します。
STEP 2:書類を3つに分類して収集する
配偶者ビザの新規申請に必要な書類は、大きく3つのカテゴリに分けて考えると整理しやすくなります。
分類① 自分で作成する書類
入管の公式サイトからダウンロードして、自分で記入して提出する書類です。
- 在留資格認定証明書交付申請書(パターンA)/在留資格変更許可申請書(パターンB)
申請のメインとなる書類です。外国人配偶者の氏名・国籍・渡航歴・就労予定などを記入します。パターンAでは日本人配偶者が代理人として記入・署名します。
- 質問書
夫婦の出会いから結婚に至った経緯、言語・コミュニケーションの状況、結婚歴、親族への報告状況などを記入する書類です。入管が「本物の夫婦かどうか」を判断する上で最も重視する書類のひとつです。日本語版のほか英語・中国語・韓国語など多言語版も用意されています。
- 身元保証書
日本人配偶者が身元保証人として記入します。外国人配偶者の日本での生活・活動・帰国について責任を持つ旨を記したものです。
- 結婚経緯書(理由書)
入管の定型フォーマットはなく、自由書式で作成します。出会いから結婚に至るまでの経緯を詳しく記述します。質問書の補足として機能する重要書類です。記入内容が審査官の心証を大きく左右します。
参考:出入国在留管理庁「申請書類一覧・申請書様式等」
分類② 役所・職場・公的機関で取得する書類
市区町村の役所や会社など、公的機関から取り寄せる書類です。いずれも発行日から3か月以内のものを提出する必要があります。計画的に収集しましょう。
- 戸籍謄本(全部事項証明書)
日本人配偶者の本籍地がある市区町村の役所で取得します。必ず婚姻の事実が記載されているものが必要です。 婚姻届を提出したばかりで戸籍への反映が間に合っていない場合は、「婚姻届出受理証明書」を併用します。
- 住民票の写し(世帯全員記載)
日本人配偶者の住所地の市区町村で取得します。マイナンバー(個人番号)のみ省略し、本籍・世帯主・続柄など他の項目はすべて記載されたものを取得してください。一部項目を省略したものは受け付けてもらえません。
- 住民税の課税(または非課税)証明書・納税証明書
日本人配偶者の年間所得と納税状況を証明する書類です。前年1月1日時点に住んでいた市区町村の役所で取得します。住民税に未納がある場合は、必ず完納してから申請してください。未納のまま申請すると不許可の原因になります。
- 在職証明書・源泉徴収票(状況に応じて)
課税証明書だけでは収入の証明が不十分な場合(直近で転職した・課税証明書の発行年度と現在の状況が乖離しているなど)は、在職証明書や直近の給与明細・源泉徴収票を追加で提出します。
- 外国人配偶者の本国発行の結婚証明書
配偶者の母国で発行された婚姻を証明する書類です。国によって書類の名称や形式が異なります。外国語で書かれた書類には、必ず日本語訳を添付してください。翻訳者の氏名・住所の記載も必要です。
- 外国人配偶者のパスポートのコピー(パターンBのみ)
日本に在住している外国人配偶者のパスポートのコピーと、在留カードのコピーを提出します。
- 返信用封筒(窓口申請の場合)
宛名を記入し、簡易書留分の切手を貼った返信用封筒を同封します。オンライン申請の場合は不要です。
分類③ 二人の関係を証明する書類
入管が「本物の夫婦かどうか」を判断するために使う、二人の交際・生活の実態を示す書類です。定型のフォーマットはなく、自分たちで用意します。
- スナップ写真
二人で写った写真を用意します。入管の公式案内には「2〜3葉」と記載されていますが、実務上は交際期間を通じた写真を複数枚まとめて提出する方が審査に有利です。写真1枚ごとに日付・場所・写っている人物を明記しましょう。アプリで加工した写真は不可とされています。
- 通信記録(LINEやSNSのやり取り)
日常的にコミュニケーションを取っていることを示すため、LINEやメッセージアプリのやり取りのスクリーンショットを提出します。全期間分を印刷する必要はなく、定期的なやり取りが確認できる範囲でまとめます。
- 渡航記録(航空券・ホテルの予約確認書など)
実際に会いに行った事実を示す書類です。パスポートの出入国スタンプと合わせて提出すると信憑性が高まります。
STEP 3:国籍によって追加書類が変わることを把握する
配偶者ビザの申請において、外国人配偶者の国籍によって提出が求められる書類の種類や形式が異なります。たとえば中国籍の方は公証書が必要であったり、韓国籍の方は家族関係証明書が求められたりと、国ごとに独自の手続きが存在します。
入管の公式ページでは「国籍・地域ごとの必要書類」が案内されていますが、内容が複雑であることも多く、自分のケースで何が必要かを正確に把握するのが難しい場合もあります。
「自分の国籍の場合、具体的に何が必要か」が分からない場合は、入管に直接問い合わせるか、専門家に確認することをおすすめします。
配偶者ビザ申請の注意点
新規申請で不許可になるケースの多くは、書類の準備不足や不備によるものです。特に注意すべきポイントを3つご紹介します。
書類間の内容を一致させる
申請書・戸籍謄本・課税証明書・質問書など、複数の書類で記載している情報(氏名の表記・年収・婚姻日など)が食い違っていると、審査官から疑念を持たれます。全書類の内容を最終確認する時間を必ず確保してください。
税金の未納があれば完納する
住民税に未納があると、「法律を守って生活しているか」という素行の観点で問題視されます。申請前に必ず納税状況を確認し、未納があれば完納してから申請してください。
交際を証明する書類を十分に用意する
写真が数枚しかない・メッセージのやり取りがほとんど残っていないといった状況では「本物の夫婦かどうか」の証明が弱くなります。特に交際期間が短い・実際に会った回数が少ない・年齢差が大きいケースでは、交際の実態を示す書類を積極的に揃えることが重要です。
まとめ|書類収集に不安があれば専門家へ相談しましょう
配偶者ビザの新規申請に必要な書類を改めて整理します。
- 自分で作成するもの:申請書・質問書・身元保証書・結婚経緯書
- 役所・機関で取得するもの:戸籍謄本・住民票・課税証明書・納税証明書・本国の結婚証明書(+日本語訳)・在職証明書など
- 二人の関係を証明するもの:スナップ写真・通信記録・渡航記録など
これらに加え、国籍によって必要な追加書類が異なる点が、新規申請の難しさのひとつです。
「書類の種類は分かったが、自分のケースで何が必要か判断できない」「国籍特有の書類の集め方が分からない」「書類は揃えたが内容が合っているか自信がない」——こうした不安を感じている方は、一人で抱え込まず専門家に相談することを検討してください。
さむらい行政書士法人では、配偶者ビザ新規申請の無料相談を受け付けています。「何から始めればいいか分からない」「自分のケースで必要な書類が知りたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。これまで多数の新規申請をサポートしてきた実績をもとに、書類収集から申請まで丁寧にサポートします。
