「配偶者ビザを申請してから許可が出るまで、どれくらいかかりますか?」国際結婚をされた方から多く寄せられる質問のひとつです。
結論からお伝えすると、審査期間は申請の種類・内容・時期・申請先によって大きく異なります。また、審査期間が長引くことを防ぐには事前の準備と対応が大切です。
この記事では、出入国在留管理庁(入管)が公表している情報をもとに審査期間の目安と、審査が長引いた場合の対策について解説します。
審査期間の目安(出入国在留管理庁公表データ)
出入国在留管理庁が定める在留審査の処理期間の概算は以下の通りです。
- 在留資格認定証明書交付申請:30日〜100日
- 在留資格変更許可申請:30日〜90日
- 在留期間更新許可申請:30日〜60日
また、出入国在留管理庁では、全国の地方出入国在留管理局における在留審査の平均処理日数を毎月公表しています。
ただし、これらの公表されている数字はあくまで「全国平均」であり、個々の申請の内容や申請先によって実際の日数は前後します。
特に、公表されている数字は許可になったケースのみの平均であり、不許可や申請取り下げのケースは含まれていません。つまり、「スムーズに許可が出たケースだけ」の平均日数です。
一方、変更申請・更新申請の場合、処分日は許可の告知時(入管窓口で新しい在留カードを受け取る日)となるため、実際の審査自体はこの日数よりも短い場合があります。
したがって、数字をそのまま自身に当てはめるのではなく、あくまで参考程度として捉えるようにしましょう。
申請種類別の傾向
配偶者ビザの審査機関は、申請種別によっても異なります。
認定申請(海外から配偶者を呼び寄せる場合)
認定申請は、在留審査の申請タイプの中で最も審査に時間がかかる傾向があります。出入国在留管理庁が公表するデータによると、「日本人の配偶者等」の認定申請における全国平均の処理日数はおおむね60〜80日程度で推移しています。
ただし、東京出入国在留管理局など申請数の多い都市部では、さらに長期化する傾向があります。申請のタイミングや内容によっては3〜4か月以上かかるケースも実際に起きています。
変更申請(国内でビザを切り替える場合)
すでに日本に在住している外国人配偶者が配偶者ビザに切り替える変更申請は、認定申請に比べて処理が早い傾向があります。出入国在留管理庁のデータによれば、全国平均でおおむね30〜60日程度が目安です。
ただし、変更申請においても申請内容が複雑な場合(過去の在留状況に問題があった場合など)は、審査が長引くことがあります。
審査期間が長引く5つの原因
審査期間が公表されている平均日数より大幅に長くなる場合、その背景には具体的な原因があります。代表的な原因として挙げられるものを5つ解説します。
書類の不備・記載ミス
申請書や添付書類に記載ミス・内容の矛盾・不足があると、入管から補正(追加資料の提出依頼)を求められます。補正対応が発生すると、その分だけ審査が止まり、期間が大幅に延びます。
特に起きやすいのは、申請書と戸籍謄本で氏名の表記が異なる・課税証明書の年収と申請書の収入欄が一致しない・外国語書類に日本語訳が添付されていないなどのケースです。
申請内容に審査官が疑念を持つ要素がある
二人の年齢差が大きい・交際期間が短い・実際に会った回数が少ない・収入が不安定といった状況は、審査官が「本当に夫婦として生活できるのか」「実態のある婚姻か」を慎重に確認しようとするため、審査が長引く傾向があります。
こうした状況は「不許可になる」ことを意味するわけではありませんが、補足説明や追加資料の提出が求められやすくなります。
追加資料の提出への対応が遅れる
入管から追加資料の提出を求められた場合、速やかに対応しないと審査がその間止まったままになります。「どんな書類を用意すればいいか分からない」「仕事が忙しくて対応できなかった」などの理由で対応が遅れると、審査期間は大幅に延びます。
申請時期が混雑している
入管の審査件数は時期によって変動します。一般的に、4月前後(新年度の入れ替わり)や年末年始明けは申請が集中しやすく、審査期間が長くなる傾向があります。また、東京・大阪など都市部の入管は年間を通じて申請数が多く、地方の入管と比べて処理に時間がかかりやすい状況です。
外国人配偶者の在留歴・素行に問題がある
過去に在留資格のルール違反(留学中のアルバイト超過・オーバーステイなど)や犯罪歴がある場合、審査において慎重な確認が行われるため、処理に時間がかかります。こうした要素は事前に正直に申告し、丁寧な説明書を添えることが重要です。
審査期間を長引かせないための対策
長引く原因が分かれば、対策も見えてきます。自分でできる対策と、専門家への相談が有効なケースを合わせてお伝えします。
対策1. 提出書類を完璧に整えてから申請する
審査期間を短縮する最も確実な方法は、最初の申請で書類の不備をゼロにすることです。補正が一度も発生しなければ、それだけ審査はスムーズに進みます。
具体的には、全書類の内容を最終的に照合する(氏名・日付・年収などが一致しているか確認する)、外国語書類には必ず日本語訳を添付する、書類の有効期限(発行日から3か月以内)を確認するといった作業を、提出前に必ず行いましょう。
対策2. 審査官に疑念を持たれやすい状況は補足説明を充実させる
年齢差が大きい・交際期間が短いなど、審査上マイナスに働く可能性がある要素がある場合は、あらかじめ交際経緯の説明書・スナップ写真・通信記録などを充実させて提出することで、補正が発生しにくくなります。
「入管に聞かれてから答えればいい」という姿勢ではなく、「疑問が生じる前に先手で説明する」ことが審査期間の短縮につながります。
対策3. 追加資料の依頼には速やかに対応する
入管から追加資料の提出を求められた場合は、できる限り早く対応することが重要です。どんな書類を出すべきか判断に迷う場合は、入管の窓口に電話で確認するか、専門家に相談することで、的外れな書類を出してさらに時間を無駄にするリスクを避けられます。
対策4. 混雑しやすい時期を避ける
申請時期をある程度コントロールできる状況であれば、年度替わり(3〜4月)や年末年始明けを避けて申請することで、比較的スムーズに審査が進む可能性があります。ただし、在留期限がある方はそちらを優先してください。
対策5. 複雑なケースは早めに専門家に相談する
次のような状況がある方は、自己判断で進めるよりも、行政書士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。
- 過去に在留違反や犯罪歴がある
- 収入が不安定または低い
- 交際期間が短く来日・渡航回数が少ない
- 過去に配偶者ビザの申請で不許可になった経験がある
- 書類の準備に自信がない
専門家は申請内容を見た上で、どの書類をどのように準備すれば補正が発生しにくいかをアドバイスしてくれます。
審査中にやってはいけないこと
審査の結果を待っている間も、注意すべきことがあります。特に注意すべき点は以下の3つです。
- 入管への問い合わせを繰り返す:審査の進捗状況を確認したい気持ちは理解できますが、頻繁な問い合わせは審査に影響しません。入管から連絡があるまで待つことが基本です。
- 追加資料の依頼を無視・放置する:入管から追加資料の提出を求められた場合、これを無視すると不許可の原因になります。期限内の対応が必須です。
- 日本人配偶者の住所・勤務先が変わっても届け出ない:審査中に日本人配偶者の状況(住所・収入・勤務先など)が大きく変わった場合は、入管に申し出ることが望ましいです。審査中の状況と申請時の内容に矛盾が生じると、審査に支障をきたす可能性があります。
まとめ|審査期間に不安があれば専門家への相談しましょう
本記事でご紹介したとおり、出入国在留管理庁が公表する全国平均の処理日数(概算)は、認定申請で30〜100日・変更申請で30〜90日となっていますが、実際には申請内容・時期・申請先によって大きく変わります。
特に、審査期間が長引く最大の原因は「書類の不備」と「補正への対応の遅れ」です。ただし、事前の準備と迅速な対応で防ぐことができます。
一方で、在留違反の経歴・収入の不安定さ・短い交際期間など複雑な要素が重なる場合は、自己判断での申請準備にはリスクがあります。そうした状況では、専門家に相談した上で進めることが審査期間の短縮と許可取得への近道です。
さむらい行政書士法人では、配偶者ビザ申請の無料相談を受け付けています。「審査が長引いていて不安」「自分のケースで何か問題があるか確認したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。書類の準備から補正対応まで、許可取得に向けて丁寧にサポートします。
