日本人配偶者が専業主婦・主夫で収入がなく、外国人配偶者の収入で家計を支える夫婦でも、配偶者ビザは取れます。 配偶者ビザの審査で見られるのは、夫婦の生活を維持できるかどうかで、日本人側が稼いでいるかどうかではありません。申請書の「生計を維持する者」を外国人配偶者にして、その収入を示します。 この記事では、生計維持者を外国人配偶者にする申請の進め方、収入の証明、認定申請との関係、審査で見られる点を解説します。
生計維持者は日本人配偶者でなくてよい
配偶者ビザの申請書には、「申請人の生計を維持する者」を記載する欄があります。多くの申請では日本人配偶者を記載しますが、外国人配偶者本人を記載することもできます。
入管が確認するのは、夫婦が日本で生活を維持できるかです。外国人配偶者に安定した収入があり、それで生活できるなら、日本人配偶者が無収入でも問題ありません。
典型的なケースは次のとおりです。
- 外国人配偶者が就労ビザで働いており、日本人配偶者が専業主婦(主夫)
- 外国人配偶者が日本で事業を営んでおり、日本人配偶者が家業を手伝うか家事を担当
- 日本人配偶者が育児、介護、病気療養などで働いていない
申請の進め方
変更申請(日本で切り替える場合)
外国人配偶者がすでに日本で就労している場合、就労ビザから配偶者ビザへの変更申請で、生計維持者を外国人配偶者本人にします。
申請書の生計維持者欄に本人の氏名を記載し、本人の収入資料を出します。日本人配偶者の収入資料は、無収入であればその旨を記載し、課税証明書(所得ゼロの記載)を出します。
収入の証明
外国人配偶者の収入は、次の書類で示します。
- 在職証明書または雇用契約書
- 住民税の課税証明書、納税証明書
- 源泉徴収票または直近の給与明細
- 自営業の場合は確定申告書の控え、決算書
外国人配偶者の収入が課税証明書に反映されていること(来日後1年以上経ち、前年の所得がある)が望ましいです。来日して間もなく課税証明書に所得がない場合は、在職証明書と給与明細で現在の収入を示します。
日本人配偶者の状況の説明
日本人配偶者が無収入である理由を、質問書や理由書に書きます。「育児のため退職した」「家業を手伝っており給与を受け取っていない」「病気療養中」など、事実をそのまま書きます。理由がないと、審査官は生活の実態を推測するしかなくなります。
認定申請(海外から呼ぶ)では使えない
在留資格認定証明書交付申請で外国人配偶者を海外から呼ぶ場合、外国人配偶者はまだ日本で働いていないので、その収入を生計維持者の収入として示せません。この場合は、次の方法で生活の見込みを示します。
- 日本人配偶者の収入(あれば)
- 日本人配偶者の預貯金
- 日本人配偶者の親族の支援
- 外国人配偶者の海外での収入と資産(来日後の生活の見込みの補強資料として)
- 外国人配偶者の来日後の就職予定(内定通知書)
日本人配偶者が無収入で、預貯金も支援もない場合、認定申請は生活の見込みが示せず難しくなります。外国人配偶者が先に就労ビザで来日し、就労を始めてから配偶者ビザに変更する方法も検討します。
審査で見られる点
収入の安定性
外国人配偶者の雇用が安定しているかが見られます。正社員で雇用期間の定めがなければ問題ありません。契約社員や派遣社員の場合は、契約の更新状況と今後の見込みを示します。自営業の場合は、事業の継続性を決算書や契約書で示します。
在留状況
外国人配偶者が現在の在留資格(就労ビザなど)で適法に活動しているか、納税や届出を履行しているかが見られます。就労ビザで認められた活動の範囲外で働いていた場合は、資格外活動として審査に影響します。
婚姻の実態
生計維持者が誰であっても、婚姻の実態の審査は同じです。交際の経緯、同居の状況、写真、連絡の記録を示します。
日本人配偶者の役割
日本人配偶者が無収入でも、家事、育児、家業の手伝いなど、夫婦の生活にどう関わっているかを説明すると、生活の実態が伝わります。
配偶者ビザに変更するメリット
外国人配偶者が就労ビザで在留している場合、配偶者ビザに変更する必要は必ずしもありません。就労ビザのままでも、日本人配偶者と生活できます。
配偶者ビザに変更するメリットは、就労の制限がなくなること、転職や退職の際に在留が安定すること、永住申請の居住要件が緩和されることです。一方、婚姻が終わると在留の根拠を失うデメリットがあります。詳細は「就労ビザから配偶者ビザへ変更すべきか」の記事で解説しています。
更新時の注意
配偶者ビザの更新でも、生計維持者を外国人配偶者本人にして、本人の収入を示します。更新時に外国人配偶者が転職や退職をしていた場合は、現在の収入を示します。日本人配偶者が就職して収入を得るようになった場合は、生計維持者を変えるか、世帯収入として両方を示します。
よくある質問
Q. 日本人の妻が専業主婦で収入がありません。配偶者ビザは取れますか。
A. 取れます。外国人の夫の収入で生活を維持できることを示します。申請書の生計維持者を外国人配偶者本人にします。
Q. 生計維持者を外国人配偶者にしてよいのですか。
A. 構いません。入管が見るのは夫婦の生活を維持できるかで、誰が稼いでいるかは問われません。
Q. 海外から妻を呼ぶ場合、妻の海外での収入は使えますか。
A. 生計維持者の収入としては使えません。来日後の生活の見込みの補強資料にはなります。日本人配偶者の預貯金や親族の支援と組み合わせます。
Q. 外国人配偶者は契約社員です。問題ありますか。
A. 契約の更新状況と今後の見込みを示せば問題ありません。在職証明書に契約期間と更新の見込みを記載してもらいます。
Q. 日本人配偶者が無収入の理由は書くべきですか。
A. 書きます。育児、介護、療養、家業の手伝いなど、事実をそのまま書くことで、生活の実態が伝わります。
Q. 就労ビザのままでも問題ありませんか。
A. 問題ありません。配偶者ビザに変更するかは、就労の自由度、永住の時期、離婚時のリスクで判断します。
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