審査中に入管から追加資料の提出を求める通知が届いても、不許可の前触れではありません。審査官が判断に必要な情報が足りないと考えた点を、補う機会です。 ただし、期限内に、求められた資料の意図に沿った内容を出さなければ、不許可につながります。 この記事では、通知書の読み方、期限の数え方、出せない資料がある場合の対処を解説します。
追加資料を求められる理由
入管は、提出された書類だけでは判断できない点があるときに、資料提出通知書を送ります。通知が来る主な場面は次のとおりです。
- 交際の経緯や同居の実態を示す資料が薄い
- 収入や生活の見込みを示す資料が足りない
- 質問書の内容と他の資料に食い違いがあり、確認が必要
- 必要書類の一部が漏れている、有効期限が切れている
- 過去の経歴や在留状況について確認したい点がある
通知が来たということは、審査官が「資料が揃えば許可を出せる」と考えている場合が多く、不許可の方向で確定しているわけではありません。逆に、通知が来ずに不許可になることもあるので、通知が来たこと自体は前向きに受け止めます。
通知書の読み方
資料提出通知書には、次の内容が記載されています。
- 提出を求める資料の名称または内容
- 提出期限
- 提出方法(持参、郵送)
- 問い合わせ先
求められる資料の書き方は、具体的なもの(「直近3か月分の給与明細」)から、抽象的なもの(「婚姻の実態を証する資料」「夫婦の交際状況が分かる資料」)まであります。抽象的な書き方の場合、審査官が何を確認したいのかを読み取る必要があります。
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通知の文言 |
審査官が確認したい点 |
出す資料の例 |
|---|---|---|
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婚姻の実態を証する資料 |
同居し、夫婦として生活しているか |
同居の住民票、賃貸借契約書、二人の写真、生活費の分担記録 |
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交際状況が分かる資料 |
出会いから結婚までの関係の継続 |
連絡記録、会った記録、渡航歴、親族の陳述書 |
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生計を証する資料 |
生活を維持できるか |
在職証明書、給与明細、残高証明書、親族の支援書面 |
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経緯を説明する文書 |
質問書の内容と他の資料の食い違い |
食い違いの理由を説明した文書 |
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本国の書類 |
婚姻の成立、独身であったこと |
本国の婚姻証明書、独身証明書と翻訳 |
通知の意図が読み取れない場合は、通知書に記載された問い合わせ先に電話して確認できます。「婚姻の実態を証する資料とありますが、どのような点を確認されたいのでしょうか」と聞けば、審査官が具体的に答えることがあります。
提出期限
提出期限は通知書に記載されています。通知の発送日から2週間程度が一般的です。期限は厳格に扱われ、期限を過ぎると提出された資料で審査が進み、資料が足りなければ不許可になります。
期限内に揃えられない資料がある場合は、期限前に入管に連絡し、事情を説明して延長を求めます。本国から取り寄せる書類で時間がかかる場合は、取り寄せ中であることと到着見込みを伝えます。延長が認められるかは審査官の判断ですが、連絡せずに期限を過ぎるより、結果はよくなります。
期限内に出せる資料だけ先に出し、残りを後から追加する方法もあります。この場合も、残りの資料がいつ出せるかを添えて伝えます。
求められた資料が出せない場合
求められた資料がそもそも存在しない、または取得できない場合があります。この場合は、出せない理由を説明する文書と、代わりになる資料を出します。
- 課税証明書が出ない → 出ない理由(海外在住、収入がなかった)と、現在の収入を示す資料
- 結婚式の写真がない → 結婚式を挙げていない理由と、他の場面の写真
- 本国の独身証明書が出ない → 本国の制度上出ない旨の説明と、宣誓供述書など代替書類
- 前の勤務先の在職証明書が出ない → 廃業や連絡不能の事情と、給与明細や雇用保険の記録
「ありません」とだけ答えると、審査官は確認できないまま判断するしかなくなります。出せない理由と代わりの資料を示せば、審査官は判断材料を得られます。
追加資料の出し方
通知に対応した説明文を付ける
資料だけを送らず、どの通知のどの項目に対して、何を、なぜ出すのかを書いた説明文を添えます。審査官は多数の案件を扱っているので、資料の意図が一目で分かる形にします。
質問書との整合を確認する
追加で出す資料が、最初に提出した質問書や申請書の内容と食い違っていないかを確認します。追加資料で新たな食い違いが生じると、それが次の確認事項になります。食い違いがある場合は、追加資料を出す前に理由を整理し、説明文に含めます。
求められた以上の資料を出すか
求められた資料に加えて、関連する資料を出すことは問題ありません。ただし、通知の意図と無関係な資料を大量に出しても、審査には役立ちません。通知の意図に沿った資料を中心に、必要な範囲で補強します。
提出の記録を残す
持参の場合は受付の控えを受け取り、郵送の場合は追跡できる方法で送ります。提出した資料の写しは手元に残します。
追加資料の提出後
追加資料を提出すると、審査が再開します。追加資料で判断がつけば結果が通知され、まだ足りなければ再度の通知が来ることもあります。2回目の通知が来た場合は、1回目の資料では意図に沿わなかったと考え、通知の文言を改めて読み直します。
追加資料を出してから結果が出るまでの期間は、案件によって異なります。審査期間の目安は「配偶者ビザの審査期間」の記事で解説しています。
追加資料を求められないための準備
通知が来ると、その分だけ審査期間が延びます。最初の申請で、求められやすい資料を先に出しておけば、通知なしで許可に至ることが多くなります。
- 交際の経緯を具体的に書き、連絡記録と会った記録で裏づける
- 収入が低い場合は、預貯金や支援の資料を最初から添える
- 年齢差、交際期間、離婚歴などの要素があれば、説明文を添える
- 本国の書類は翻訳を付け、有効期限を確認する
よくある質問
Q. 追加資料の通知が来ました。不許可になりそうということですか。
A. 違います。審査官が判断に必要な情報を補う機会です。通知の意図に沿った資料を期限内に出せば、許可に至ることが多くあります。
Q. 期限が2週間しかなく、本国の書類が間に合いません。
A. 期限前に入管に連絡し、取り寄せ中であることと到着見込みを伝えて延長を求めます。出せる資料だけ先に出す方法もあります。
Q. 「婚姻の実態を証する資料」と書かれていますが、何を出せばよいか分かりません。
A. 同居の住民票、賃貸借契約書、二人の写真、生活費の分担記録などです。意図が分からない場合は、通知書の問い合わせ先に電話して確認できます。
Q. 求められた書類が存在しません。
A. 出せない理由を説明する文書と、代わりになる資料を出します。「ありません」だけでは審査官が判断できません。
Q. 追加資料を出した後、どのくらいで結果が出ますか。
A. 案件によります。追加資料で判断がつけば比較的早く通知され、さらに確認が必要な場合は再度の通知が来ることもあります。
Q. 追加資料の通知が2回来ました。
A. 1回目の資料が通知の意図に沿っていなかった可能性があります。通知の文言を読み直し、必要なら入管に意図を確認してから出します。
追加資料の対応は当法人にご相談ください
当法人は、審査中に追加資料を求められた配偶者ビザ申請の対応を多く扱っています。通知の意図の読み取り、出す資料の選定、説明文の作成、期限延長の連絡まで対応します。自分で申請した後に通知が届いた方も、期限前に無料相談でお聞かせください。
