外国人の婚約者や恋人を日本に呼ぶには、短期滞在ビザ(査証)を取得します。目的は「知人訪問」で、日本側が招へい人・身元保証人として書類を用意します。 審査で見られるのは、交際関係が本物か、滞在後に確実に帰国するか、滞在費用を賄えるかの3点です。 この記事では、必要書類、交際関係の立証、審査のポイント、不発給を避けるための準備を解説します。この記事は短期滞在に関する記事群のハブです。
査証が必要な国と不要な国
短期滞在で日本に入国する場合、国籍によって査証(ビザ)の要否が異なります。韓国、台湾、アメリカ、EU諸国などの査証免除国の国民は、査証なしで短期滞在できます。中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、スリランカなどは、事前に査証を取得する必要があります。
査証免除国の婚約者を呼ぶ場合、この記事の手続きは不要です。航空券と滞在先があれば来日できます。ただし、入国審査で滞在目的や帰国の意思を確認されることはあります。
査証が必要な国の婚約者を呼ぶ場合、本国の日本大使館・領事館で査証申請をします。その申請に、日本側が用意する招へいの書類が必要です。
短期滞在ビザの基本
短期滞在は、観光、親族・知人訪問、商用などの目的で、90日以内の滞在を認める在留資格です。婚約者や恋人の訪問は「知人訪問」の目的で申請します。
滞在期間は15日、30日、90日のいずれかで、審査で決まります。初めての来日では15日または30日になることが多く、来日の実績を重ねると90日が出やすくなります。
短期滞在では就労できません。婚約者が滞在中にアルバイトをすると、資格外活動違反になります。
日本側が用意する書類
日本側の婚約者が、招へい人と身元保証人を兼ねることが一般的です。
招へい人の書類
- 招へい理由書(来日の目的、招へいの経緯、申請人との関係を記載)
- 滞在予定表(滞在中の日程と宿泊先)
- 招へい人の住民票
- 招へい人の在職証明書(または登記事項証明書、営業許可証など)
身元保証人の書類
- 身元保証書(滞在費、帰国旅費、法令遵守を保証する書面)
- 身元保証人の課税証明書または所得証明書
- 身元保証人の在職証明書
身元保証人の収入が低い場合は、預貯金の残高証明書を添えます。招へい人の親が身元保証人になることもできます。
交際関係を示す書類
知人訪問では、招へい人と申請人の関係を示す資料が求められます。婚約者・恋人の場合は、次の資料で交際関係を示します。
- 二人で写っている写真(複数回、異なる時期のもの)
- 通話、メッセージの記録
- 招へい人が相手国を訪問した記録(パスポートの出入国スタンプ、航空券)
- 婚約している場合は、婚約の事実を示すもの(婚約式の写真、親族への紹介の記録)
申請人(婚約者)側の書類
本国の日本大使館・領事館に提出する書類です。国によって追加書類があります。
- 査証申請書
- 写真
- パスポート
- 航空券の予約確認書
- 本国での在職証明書、所得証明書、預貯金の残高証明書(帰国の意思と経済状況を示す)
- 日本側から送られた招へい書類一式
本国での仕事、家族、資産があることは、滞在後に帰国する意思の裏づけになります。無職で資産がない場合は、帰国の意思が疑われやすくなります。
審査で見られる点
交際関係が本物か
知人訪問は、関係の実態がない申請(実質的な就労目的など)に使われることがあるため、交際関係の確認が丁寧に行われます。写真、連絡記録、相手国への訪問記録で、継続的な交際があることを示します。
SNSで知り合って一度も会っていない場合、交際関係の立証は難しくなります。可能であれば、招へい人が先に相手国を訪問し、会った記録を作ってから招へいします。
滞在後に帰国するか
本国に仕事、家族、資産があり、帰国する理由があることが見られます。申請人の在職証明書、所得証明書、家族の状況で示します。過去に日本に短期滞在で来日し、期限内に帰国した実績があれば、帰国の意思の裏づけになります。
滞在費用を賄えるか
招へい人・身元保証人の収入、または申請人本人の資産で、滞在費用と帰国旅費を賄えることが見られます。
過去の在留歴
申請人に過去の日本在留歴がある場合、その在留状況(オーバーステイ、資格外活動)が確認されます。過去に不法滞在があった場合は、上陸拒否期間を確認します。
招へい理由書の書き方
招へい理由書は、審査で最も読まれる書類です。次の内容を具体的に書きます。
- 申請人と招へい人の関係(婚約者、交際中の恋人)
- 知り合った経緯と交際の経過(時期、会った回数、相手国への訪問)
- 今回の招へいの目的(両親への挨拶、結婚の準備、日本での生活の下見など)
- 滞在中の予定(滞在予定表と一致させる)
- 滞在費用と帰国旅費の負担者
「婚約者を両親に紹介するため」「結婚に向けて日本での生活を体験するため」といった、婚約者ならではの目的を書きます。目的が曖昧だと、審査官は来日の必要性を判断できません。
書き方の詳細は、「招へい理由書・滞在予定表・身元保証書の書き方」の記事で解説しています。
来日後の手続き
短期滞在で来日した婚約者と、滞在中に婚姻することはできます。婚姻後、短期滞在から配偶者ビザへの変更は原則として認められていませんが、やむを得ない事情がある場合は受理されることがあります。変更できるかどうかの判断は、「短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更はできるか」の記事で解説しています。
滞在中に婚姻し、変更が認められない場合は、期限内に帰国し、配偶者ビザの認定証明書交付申請をします。
不発給になった場合
短期滞在ビザが不発給になると、同じ目的での再申請は原則6か月間できません。不発給の理由は開示されないので、申請内容を見直して6か月後に再申請するか、婚姻して配偶者ビザの認定申請に切り替えます。詳細は「婚約者の短期滞在ビザが不発給になった場合の再申請」の記事で解説しています。
不発給を避けるには、最初の申請で交際関係の立証と帰国の意思の裏づけを十分に揃えます。
よくある質問
Q. 恋人を日本に呼べますか。
A. 呼べます。知人訪問の目的で短期滞在ビザを申請します。交際関係を示す資料と、日本側の招へい書類が必要です。
Q. 身元保証人は誰でもなれますか。
A. 日本に住所があり、安定した収入がある人がなります。招へい人本人が兼ねるのが一般的で、親がなることもできます。
Q. 一度も会ったことがない相手を呼べますか。
A. 申請はできますが、交際関係の立証が難しく、不発給になりやすいです。先に相手国を訪問して会った記録を作ることを勧めます。
Q. 滞在中に結婚して、そのまま日本に住めますか。
A. 婚姻はできますが、短期滞在から配偶者ビザへの変更は原則不可です。やむを得ない事情があれば受理される場合があります。事前にご相談ください。
Q. 何日滞在できますか。
A. 15日、30日、90日のいずれかで、審査で決まります。初めての来日では15日か30日になることが多いです。
Q. 不発給になったらどうすればよいですか。
A. 同じ目的での再申請は原則6か月できません。申請内容を見直して再申請するか、婚姻して配偶者ビザの認定申請に切り替えます。
婚約者の招へいは当法人にご相談ください
当法人は、婚約者や恋人を日本に呼ぶ短期滞在ビザの申請サポートを多く扱っています。招へい理由書と滞在予定表の作成、交際関係を示す資料の選び方、身元保証人の書類の準備まで対応します。滞在中の婚姻や配偶者ビザへの切り替えも見据えて設計しますので、無料相談でお聞かせください。
