住民税、国民年金、国民健康保険の未納は、配偶者ビザの審査に影響します。収入が十分でも、未納があると「公的義務を履行していない」として不利になります。 対策は単純で、申請前に納付し、納付の記録を添えることです。一括で納付できない場合は、分割納付の約束をして納付を始めます。 この記事では、入管が未納を確認する方法、未納の種類別の影響、納付してから申請するまでの進め方を解説します。
入管が未納を確認する方法
配偶者ビザの申請では、生計維持者の住民税の納税証明書を提出します。納税証明書には、課税額と納付済額、未納額が記載されます。未納があれば、この書類で分かります。
国民年金と国民健康保険は、初回申請では提出書類に含まれないことが多いですが、更新申請や永住申請では、納付状況を示す資料を求められることが増えています。入管は、申請人の在留状況の一部として、公的義務の履行を確認します。
未納を隠して申請することはできません。納税証明書に記載されるので、申請時に入管が把握します。
未納の種類と影響
住民税
最も影響が大きい未納です。納税証明書に未納額が記載されるので、入管が直接確認します。未納があると、生活の安定が疑われるだけでなく、公的義務の不履行として不利になります。
対策は、申請前に納付し、納付後の納税証明書を取り直すことです。納付から証明書への反映に数日から2週間程度かかるので、納付後すぐに証明書を取らず、反映を確認してから取得します。
国民年金
国民年金の未納は、初回申請では直接確認されないことが多いですが、更新や永住申請で見られます。配偶者ビザから永住を目指す場合、永住申請では直近2年分の年金の納付状況が確認されるので、未納があると永住が取れません。
国民年金には、収入が少ない場合の免除・猶予制度があります。未納のまま放置せず、免除や猶予の申請をしていれば、「納付義務を履行している」と扱われます。免除・猶予の承認通知書を添えます。
国民健康保険
国民健康保険の未納も、更新や永住申請で見られます。未納が続くと保険証が短期のものに切り替わるので、入管は保険証の種類から未納を推測することがあります。
対策は住民税と同じで、申請前に納付し、納付の記録を添えます。
社会保険(厚生年金・健康保険)
会社員で社会保険に加入している場合、保険料は給与から天引きされるので、個人の未納は生じません。会社経営者が会社として社会保険料を滞納している場合は、別の問題として会社の納付状況が見られることがあります。
日本人配偶者の未納と外国人配偶者の未納
日本人配偶者の未納
生計維持者が日本人配偶者の場合、日本人配偶者の未納が審査に影響します。日本人配偶者の未納は、生活の安定の問題として見られます。
外国人配偶者の未納
外国人配偶者自身の未納は、在留状況の問題として見られます。更新申請では、外国人配偶者が在留中に住民税、国民年金、国民健康保険を納めていたかが確認されます。未納があると、更新で在留期間が短くなる(3年を期待していたが1年になる)、または不許可になることがあります。
外国人配偶者が日本に来て間もない場合、住民税は前年の所得がないので課税されません。国民年金と国民健康保険は、住民登録と同時に加入義務が生じます。来日後の加入手続きを忘れていると、未加入期間が未納として扱われます。
未納がある場合の進め方
一括で納付できる場合
申請前に全額を納付し、領収書を保管します。納付後、納税証明書に反映されてから証明書を取得し、申請します。納付の領収書も添えると、納付した事実と時期が明確になります。
一括で納付できない場合
市区町村の窓口で分割納付の相談をし、納付計画を立てます。分割納付の約束をした書面(納付誓約書など)と、納付を開始した記録を添えて申請します。
分割納付中の申請は、「未納がある」状態ではありますが、「納付の意思があり、履行を始めている」として評価されます。放置した未納とは扱いが異なります。
免除・猶予の申請
国民年金は、収入が少ない場合に免除・猶予の申請ができます。承認されれば、その期間は納付義務を履行したものと扱われます。過去の未納期間についても、一定期間はさかのぼって免除申請ができます。
国民健康保険も、収入が少ない場合の減免制度があります。市区町村の窓口で相談します。
申請のタイミング
未納の納付や分割納付の開始には時間がかかります。在留期限が迫っている場合は、納付を済ませてから申請する時間がないことがあります。この場合は、納付の計画と開始の記録を添えて期限内に申請し、審査中に納付を進めます。
在留期限まで余裕がある場合は、納付を済ませ、証明書に反映されてから申請します。
更新時の注意
配偶者ビザの更新では、前回の申請以降の納付状況が見られます。更新で在留期間を3年や5年にしたい場合、未納がないことは重要な要素です。
更新の1年前から、住民税、国民年金、国民健康保険の納付状況を確認し、未納があれば納付を進めます。当法人の「配偶者ビザ更新手続きのポイント」チェックリストで、確認すべき項目をまとめています。
永住申請への影響
配偶者ビザから永住許可を目指す場合、永住申請では直近2年分の年金と健康保険の納付状況、直近数年分の住民税の納付状況が確認されます。納付期限を過ぎた納付(遅延納付)も、履行状況として評価されます。2026年10月1日改定の永住許可ガイドラインでは、公租公課(税金と社会保険料)の支払いが法律上の要件として明記され、将来の年金見込額も考慮されるようになりました。また、2027年4月1日からは、永住取得後に故意に税金や社会保険料を支払わない場合、永住が取り消される制度の運用が始まります。
永住を目指すなら、配偶者ビザの取得時点から、納付期限内の納付を続けます。
よくある質問
Q. 住民税を滞納しています。配偶者ビザは取れますか。
A. 申請前に納付すれば問題ありません。納付後、納税証明書に反映されてから取得して申請します。一括で払えない場合は、分割納付の約束をして納付を始めます。
Q. 未納を隠して申請できますか。
A. できません。納税証明書に未納額が記載されるので、入管が把握します。
Q. 年金を払っていません。初回申請に影響しますか。
A. 初回申請では直接確認されないことが多いですが、更新や永住申請で見られます。免除・猶予の申請をするか、納付を始めることを勧めます。
Q. 分割納付中でも申請できますか。
A. できます。分割納付の約束をした書面と納付の記録を添えます。放置した未納とは扱いが異なります。
Q. 外国人配偶者が年金に加入していませんでした。
A. 住民登録と同時に加入義務が生じるので、未加入期間が未納として扱われます。加入手続きをし、過去の分の納付または免除申請をします。
Q. 更新で3年がほしいです。未納は影響しますか。
A. 影響します。未納があると在留期間が1年になることがあります。更新の1年前から納付状況を確認し、未納を解消します。
未納がある配偶者ビザは当法人にご相談ください
当法人は、税金や社会保険の未納がある状態での配偶者ビザ申請と更新を多く扱っています。未納の種類と影響の確認、納付や分割納付の進め方の案内、申請のタイミングの判断まで対応します。在留期限が迫っている場合は、納付と申請を並行して進める設計をしますので、早めに無料相談でお聞かせください。
