ブラジル人・ペルー人との国際結婚は、日本に在留する日系人やその家族との結婚が多く、相手がすでに定住者や永住者として在留していることが特徴です。 この場合、結婚後に配偶者ビザへ変更するか、現在の定住者・永住者のまま在留するかを選べます。 両国ともハーグ条約(アポスティーユ)の締約国なので、書類の認証はアポスティーユで済みます。この記事では、日本先行・本国先行の流れ、在留資格の選択、配偶者ビザ申請で見られる点を解説します。
ブラジル・ペルーの書類の基本
ブラジル
|
書類 |
発行機関 |
内容 |
|---|---|---|
|
出生証明書 |
出生地の登記所(カルトリオ) |
出生、父母、婚姻の注記 |
|
独身証明書または独身宣誓書 |
登記所、または在日ブラジル領事館での宣誓 |
現在独身であること |
|
身分証明書(RG)、CPF |
州の公安局、連邦歳入庁 |
本人確認 |
|
離婚の注記がある出生証明書または離婚証明書 |
登記所、裁判所 |
離婚歴がある場合 |
ブラジルの出生証明書には、婚姻や離婚が注記(averbação)として記載されるので、婚姻状況の確認にも使います。
ペルー
|
書類 |
発行機関 |
内容 |
|---|---|---|
|
出生証明書 |
国家身分登録庁(RENIEC)または市役所 |
出生、父母 |
|
独身証明書 |
RENIECまたは市役所 |
現在独身であること |
|
国民身分証(DNI) |
RENIEC |
本人確認 |
|
離婚証明書 |
市役所または裁判所 |
離婚歴がある場合 |
両国とも、本国の公文書に本国のアポスティーユを受ければ日本で使えます。本国に戻れない場合は、家族が取得してアポスティーユを受け、日本に送ります。
日本先行方式
流れ
- 相手が本国の書類(出生証明書など)を取得し、アポスティーユを受ける
- 在日ブラジル領事館または在日ペルー領事館で婚姻要件具備証明書を取得する
- 市区町村役場に婚姻届を提出する
- 日本人の戸籍に婚姻が記載される
- 領事館に婚姻を登録する
- 配偶者ビザを申請する(必要な場合)
婚姻要件具備証明書の取り方
ブラジルは、在日ブラジル総領事館(東京、名古屋、浜松)で、本人が独身であることを宣誓する形式の証明書を発給します。必要書類は、パスポート、在留カード、本国の出生証明書、日本人配偶者の戸籍謄本などです。
ペルーは、在日ペルー総領事館(東京、名古屋)で婚姻要件具備証明書を発給します。本国の独身証明書と出生証明書が必要です。
婚姻届の必要書類
- 婚姻届(証人2名)
- 日本人の戸籍謄本(本籍地以外に出す場合)
- 相手の婚姻要件具備証明書と日本語訳
- 相手のパスポート
- 出生証明書と日本語訳(役場によって要否が異なる)
本国側の婚姻登録
日本で婚姻が成立した後、在日領事館で本国側の婚姻登録をします。ブラジルは領事館で婚姻を登録し、本国の登記所に転記されます。ペルーも領事館で登録します。登録をしないと、本国では婚姻が記録されません。
領事館で登録できない場合は、日本の婚姻届受理証明書に外務省のアポスティーユを受け、翻訳を付けて本国で登録します。
本国先行方式
ブラジルで先に婚姻する場合は、登記所で婚姻の申請をし、公示期間を経て婚姻式を行い、婚姻証明書を受け取ります。日本人は、在ブラジル日本大使館・総領事館で婚姻要件具備証明書を取得するか、日本で取得して外務省のアポスティーユを受け、ポルトガル語訳(公証翻訳)を付けます。
ペルーで先に婚姻する場合は、市役所で婚姻の申請をし、公示期間を経て婚姻を登録します。日本人は同様に婚姻要件具備証明書とスペイン語訳を用意します。
婚姻成立から3か月以内に、日本の市区町村役場または在外公館に報告的届出をします。本国の婚姻証明書にアポスティーユを受け、日本語訳を付けます。
在留資格の選択
相手が定住者・永住者の場合
日系ブラジル人・ペルー人の多くは、定住者または永住者として在留しています。日本人と結婚した後、次の選択があります。
|
現在の在留資格 |
選択肢 |
|---|---|
|
永住者 |
変更不要。永住者のまま在留 |
|
定住者 |
定住者のまま在留するか、日本人の配偶者等に変更する |
定住者から日本人の配偶者等への変更は可能ですが、必須ではありません。定住者は更新時に生活状況が審査され、日本人の配偶者等は更新時に婚姻の実態が審査されます。永住を目指す場合、日本人の配偶者等であれば婚姻3年以上かつ在留1年以上(2027年4月1日以降の申請は婚姻5年以上かつ在留3年以上)で居住要件が緩和され、定住者であれば定住者としての在留5年以上で緩和されます。
どちらが有利かは、これまでの在留期間と今後の予定で変わるので、個別に検討します。
相手が本国にいる場合
相手が本国にいて日本に呼ぶ場合は、配偶者ビザの認定証明書交付申請をします。相手が日系人であれば、定住者(定住者告示)での申請も可能ですが、日本人と婚姻していれば配偶者ビザのほうが手続きは簡単です。
配偶者ビザ申請で見られる点
在留歴
相手が定住者として長く日本に在留している場合、その在留中の状況(納税、届出、法令違反)が確認されます。定住者の更新で問題があった場合は、その経緯を説明します。
出会いの経緯
職場、地域、ブラジル人・ペルー人コミュニティでの出会いが多くなります。出会いの経緯と交際の内容を具体的に書きます。
書類の氏名表記
ブラジル人・ペルー人の氏名は、複数の姓(父方と母方)を持つことが多く、パスポートの表記と本国の書類の表記が異なることがあります。日本の書類では、パスポートの表記に統一します。
離婚歴
本国での離婚歴がある場合、離婚の注記がある出生証明書や離婚証明書で、離婚が成立していることを示します。
よくある質問
Q. ブラジル人と結婚する場合、どちらの国で先に手続きすべきですか。
A. 相手が日本に在留している場合が多いので、日本先行が一般的です。領事館で本国側の登録まで済みます。
Q. 相手は定住者です。配偶者ビザに変更すべきですか。
A. 必須ではありません。永住までの期間や更新時の審査内容を比較して判断します。永住者であれば変更不要です。
Q. アポスティーユは使えますか。
A. 使えます。ブラジル、ペルーともハーグ条約の締約国なので、本国のアポスティーユで日本で使え、日本の書類も外務省のアポスティーユで本国で使えます。
Q. 日本で結婚した後、本国側の手続きは必要ですか。
A. 必要です。在日領事館で婚姻を登録します。登録しないと本国では婚姻が記録されません。
Q. 相手の氏名が書類によって違います。
A. 複数の姓を持つため、表記が異なることがあります。パスポートの表記に統一し、必要なら同一人物であることの説明を添えます。
Q. 相手が本国にいます。
A. 配偶者ビザの認定証明書交付申請をします。日系人であれば定住者での申請も可能ですが、配偶者ビザのほうが手続きは簡単です。
ブラジル人・ペルー人との国際結婚は当法人にご相談ください
当法人は、ブラジル人・ペルー人との国際結婚手続きと在留資格の相談を多く扱っています。領事館での婚姻要件具備証明書の取得、アポスティーユの手配、定住者と配偶者ビザのどちらで在留するかの判断、配偶者ビザ申請まで対応します。在留資格の選択に迷っている方は、無料相談でお聞かせください。
