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日本人の子を育てる外国人親の定住者ビザ(実子扶養定住)

さむらい行政書士法人

日本人との間に生まれた子を養育する外国人親は、日本人と婚姻していなくても、定住者の在留資格で日本に在留できます。 子が日本国籍を持ち、外国人親が親権を持って実際に養育していることが基本の要件です。離婚定住より認められやすく、婚姻期間や離婚の経緯は重視されません。 この記事では、子の日本国籍の確認、認知が必要な場合、親権と養育の実態、審査で見られる点、必要書類を解説します。

実子扶養定住の位置づけ

日本人実子扶養定住は、日本国籍の子を養育する外国人親に、定住者の在留資格を認めるものです。法務省の告示には定められていない告示外定住で、個別の事情で判断されます。

 

この類型が使われるのは、主に次の場合です。

 

  • 日本人と離婚し、日本人との間の子を外国人親が養育している
  • 日本人と婚姻せずに出産し、日本人父が認知した子を外国人母が養育している
  • 日本人配偶者と死別し、日本人との間の子を養育している

 

いずれも、子が日本国籍を持っていることが前提です。子を養育する親の在留を認めることで、日本国籍の子が日本で育つことを保障する趣旨です。

子の日本国籍の確認

婚姻中に生まれた子

日本人と外国人の婚姻中に生まれた子は、出生により日本国籍を取得します。父母のどちらが日本人でも同じです。子は日本の戸籍に記載されます。

婚姻していない場合(日本人父・外国人母)

日本人父と外国人母の間に、婚姻せずに生まれた子は、日本人父が認知しなければ日本国籍を取得しません。

 

  • 胎児認知(出生前に認知):出生により日本国籍を取得
  • 出生後の認知:認知後に法務局で国籍取得の届出をすることで日本国籍を取得(子が18歳未満の場合)

 

認知されていない子は日本国籍がないので、実子扶養定住の対象になりません。日本人父に認知を求めるか、認知されない場合は家庭裁判所の認知調停・訴訟を検討します。

婚姻していない場合(外国人父・日本人母)

日本人母から生まれた子は、婚姻の有無にかかわらず出生により日本国籍を取得します。外国人父が子を養育する場合も、実子扶養定住の対象になります。

親権と監護養育

親権

外国人親が子の親権を持っていることが必要です。離婚の場合、離婚届または調停・判決で親権者が定められます。未婚の場合、日本法では母が親権者になります(認知後に父母の協議で父を親権者にすることもできます)。

 

親権が日本人側にある場合、外国人親は実子扶養定住では申請できません。親権の変更を家庭裁判所に申し立てるか、別の類型を検討します。

監護養育の実態

親権があるだけでなく、実際に子と同居し、養育していることが必要です。次の資料で示します。

 

  • 子と同居している住民票
  • 子の保育園・幼稚園・学校の在籍証明、連絡帳
  • 子の健康診断、予防接種の記録(母子健康手帳)
  • 養育に関する日常の写真
  • 子の養育費を負担している記録

 

子を本国の親族に預けている、または日本人側が実際に養育している場合は、監護養育の実態がないとされます。

審査で見られる点

養育の実績

現在だけでなく、これまでどのように養育してきたかが見られます。子の出生から申請までの養育の経緯を理由書に書きます。

養育の継続の見込み

今後も日本で養育を続けられるかが見られます。収入、住居、保育の体制(保育園、親族の支援)を示します。

生活基盤

養育しながら生活を維持できるかが見られます。就労と収入、児童手当や児童扶養手当の受給、養育費の受取、預貯金で示します。離婚定住ほど収入の水準は厳しく見られませんが、生活保護に頼っている場合は自立した生活基盤がないとされ、不利になります。

子の年齢

子が幼いほど、養育の必要性は明らかです。子が成長し、自立に近づくと、養育の必要性の説明が丁寧に求められます。子が18歳に達すると、実子扶養の前提がなくなるので、それまでに定住者として安定した在留実績を作り、永住を目指すことが一般的です。

日本人親との関係

離婚した日本人親との関係(面会交流、養育費)も見られます。日本人親が養育費を払っている、面会交流が続いている場合は、子の日本での生活の安定を示す材料になります。

申請のタイミング

離婚の場合

離婚から6か月以内に、配偶者ビザから定住者への変更申請をします。離婚から14日以内の「配偶者に関する届出」も提出します。

未婚で出産した場合

外国人母が日本に在留している場合、現在の在留資格から定住者への変更申請をします。子の認知と日本国籍の取得(必要な場合)を済ませてから申請します。

 

外国人母が短期滞在や在留資格のない状態の場合は、変更申請ではなく在留特別許可の手続きになることがあります。状況によって手続きが大きく変わるので、申請前にご相談ください。

死別の場合

死別から6か月以内に、定住者への変更申請をします。

必要書類

  • 在留資格変更許可申請書
  • 写真
  • パスポート、在留カード
  • 子の戸籍謄本(日本国籍と父母の記載があるもの)
  • 認知の記載がある戸籍謄本(認知による国籍取得の場合)
  • 親権者を証明する書類(離婚届の記載事項証明書、調停調書、判決書など)
  • 住民票(子と同居していることが分かるもの)
  • 子の在籍証明(保育園・学校)
  • 母子健康手帳の写し
  • 在職証明書、課税証明書、納税証明書
  • 児童手当・児童扶養手当の受給証明(あれば)
  • 養育費の受取記録(あれば)
  • 養育の経緯と今後の予定を書いた理由書

定住者から永住へ

定住者として5年以上在留すると、永住許可の居住要件が緩和されます。子が成長して実子扶養の前提がなくなる前に、永住を取得しておくと、子の自立後も在留が安定します。

 

永住申請では、納税と年金・健康保険の納付状況が確認されるので、定住者になった時点から納付期限内の納付を続けます。2026年10月1日改定の永住許可ガイドライン(2027年4月1日以降の申請に適用)では、最長の在留期間(5年)、世帯人数に応じた収入、年金の見込額、日本語能力B1相当も考慮され、手数料は20万円になりました。

よくある質問

Q. 日本人と離婚し、子を育てています。日本に残れますか。

 

A. 子が日本国籍で、親権を持って養育していれば、実子扶養定住で在留できます。離婚定住より認められやすい類型です。

 

Q. 結婚せずに日本人の子を出産しました。

 

A. 日本人父が認知すれば子は日本国籍を取得でき、実子扶養定住で申請できます。認知されていない場合は、認知を求める手続きを先に進めます。

 

Q. 親権は元夫にあります。

 

A. 外国人親に親権がないと、実子扶養定住では申請できません。親権の変更を検討するか、離婚定住など別の類型を検討します。

 

Q. 子を本国の親に預けています。

 

A. 監護養育の実態がないとされます。子を日本で養育している状態で申請します。

 

Q. 収入が少ないです。

 

A. 離婚定住ほど厳しくは見られませんが、児童手当、養育費、預貯金を合わせて生活の見込みを示します。生活保護に頼っている場合は不利になります。

 

Q. 子が大きくなったら在留資格はどうなりますか。

 

A. 子が18歳に達すると実子扶養の前提がなくなります。それまでに定住者として在留実績を作り、永住を取得しておくことを勧めます。

日本人の子の養育と在留は当法人にご相談ください

当法人は、日本人の子を養育する外国人親の定住者ビザ申請を多く扱っています。子の国籍と認知の確認、親権の整理、養育の実態を示す資料の組み立て、永住を見据えた設計まで対応します。離婚や出産の後の在留に不安がある方は、無料相談でお聞かせください。

執筆者:さむらい行政書士法人

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