国際結婚に関わる定住者ビザは、大きく4つの類型があります。離婚後に日本に残る「離婚定住」、配偶者と死別した後の「死別定住」、外国人配偶者の前婚の子を呼ぶ「連れ子定住」、日本人の子を育てる外国人親の「実子扶養定住」です。 いずれも法務省の告示に定められていない「告示外定住」で、個別の事情を審査して許可されます。 この記事では、4類型の概要と配偶者ビザとの違い、どの類型に当たるかの判断を解説します。各類型の詳細は個別の記事で解説しています。
定住者ビザとは
定住者は、法務大臣が特別な理由を考慮して、一定の在留期間を指定して居住を認める在留資格です。就労制限がなく、日本人の配偶者等と同じように、どのような仕事にも就けます。
定住者には、法務省の告示で類型が定められた「告示定住」(日系人、日系人の配偶者、定住者の配偶者、中国残留邦人関係など)と、告示に定めがなく個別の事情で認められる「告示外定住」があります。国際結婚に関わる4類型は、いずれも告示外定住です。
告示外定住は、海外からの認定証明書交付申請ができません。日本に在留している人が、在留資格変更許可申請で定住者に変更します。例外として、連れ子定住は告示定住(定住者告示6号)に該当する場合があり、海外からの認定申請ができます。
配偶者ビザとの違い
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項目 |
配偶者ビザ(日本人の配偶者等) |
定住者(告示外) |
|---|---|---|
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前提 |
日本人との婚姻が継続している |
婚姻の終了、または親子関係など |
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申請の方法 |
認定申請・変更申請の両方 |
原則として変更申請のみ |
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就労 |
制限なし |
制限なし |
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在留期間 |
5年・3年・1年・6か月 |
5年・3年・1年・6か月 |
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永住申請 |
婚姻3年以上かつ在留1年以上で居住要件緩和(2027年4月1日以降の申請は婚姻5年以上かつ在留3年以上) |
定住者としての在留5年以上で居住要件緩和 |
配偶者ビザは婚姻の継続が前提なので、離婚や死別で婚姻が終わると、在留の根拠がなくなります。離婚・死別から6か月以上、配偶者としての活動をしていないと、在留資格取消しの対象になります。この6か月以内に定住者へ変更することが、離婚定住・死別定住の基本的な流れです。
4類型の概要
離婚定住
日本人と離婚した外国人が、引き続き日本に在留するための定住者です。許可の判断では、次の点が総合的に見られます。
- 婚姻期間(実務上、同居していた期間が3年以上あると認められやすい)
- 日本での生活基盤(就労、収入、住居)
- 日本語能力、日本社会への定着
- 離婚の経緯(相手の責任による離婚か、本人の責任か)
- 日本人との間の子の有無と養育の状況
婚姻期間が短くても、日本人との間の子を養育している場合は、実子扶養定住として認められることがあります。詳細は「離婚後に日本に残るための定住者ビザ」の記事で解説しています。
死別定住
日本人配偶者と死別した外国人が、引き続き日本に在留するための定住者です。見られる点は離婚定住とほぼ同じですが、死別は本人の責任によらない婚姻の終了なので、離婚定住より認められやすい傾向があります。婚姻期間が短い場合でも、日本での生活基盤があれば認められることがあります。詳細は「日本人配偶者と死別した後の定住者ビザ」の記事で解説しています。
連れ子定住
日本人と結婚した外国人配偶者が、前婚で生まれた子を本国から呼び寄せるための定住者です。定住者告示6号に該当する場合は、海外からの認定申請ができます。見られる点は次のとおりです。
- 子が未成年かつ未婚であること
- 子が外国人配偶者の実子であること
- 外国人配偶者が子の親権(監護権)を持っていること
- 日本で子を扶養する経済的な能力があること
- 子の年齢が高い場合(15歳以上など)、呼び寄せの必要性
年齢が高くなるほど、「本国で自立できるのではないか」という観点から審査が丁寧になります。詳細は「外国人配偶者の連れ子を日本に呼ぶ定住者ビザ」の記事で解説しています。
日本人実子扶養定住
日本人との間に生まれた子を養育する外国人親が、日本に在留するための定住者です。日本人と婚姻していない(未婚で出産した、離婚した)場合に使います。見られる点は次のとおりです。
- 子が日本国籍を持っていること(日本人父の認知が必要な場合がある)
- 外国人親が子の親権を持ち、実際に監護養育していること
- 養育の実績と、今後の養育の見込み
子が日本国籍であれば、婚姻期間や離婚の経緯は離婚定住ほど重視されません。詳細は「日本人の子を育てる外国人親の定住者ビザ」の記事で解説しています。
どの類型に当たるかの判断
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状況 |
類型 |
|---|---|
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日本人と離婚し、子はいない |
離婚定住 |
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日本人と離婚し、日本国籍の子を養育している |
実子扶養定住(離婚定住より認められやすい) |
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日本人と離婚し、子は元配偶者が養育している |
離婚定住(面会交流の実績があれば補強) |
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日本人配偶者が死亡した |
死別定住 |
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日本人と婚姻中で、本国にいる前婚の子を呼びたい |
連れ子定住 |
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日本人と未婚で、日本人父が認知した子を養育している |
実子扶養定住 |
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日本人と婚姻中で、日本人との間の子がいる |
配偶者ビザのまま(定住者への変更は不要) |
複数の類型に当たる場合は、最も認められやすい類型で申請します。離婚定住と実子扶養定住の両方に当たる場合は、実子扶養定住で申請します。
申請のタイミング
離婚定住・死別定住は、離婚・死別から6か月以内に申請します。6か月を過ぎると在留資格取消しの対象になりますが、取消しの手続きが始まる前に申請すれば、審査は受けられます。ただし、期間が空いた理由を説明する必要があります。
離婚・死別後、入管への「配偶者に関する届出」を14日以内に提出することも必要です。この届出を出していないと、在留状況が良好でなかったとされます。
連れ子定住は、配偶者ビザの取得後、または配偶者ビザと同時に申請します。日本人実子扶養定住は、子の出生と認知(必要な場合)が済んだ後に申請します。
定住者から永住へ
定住者として5年以上在留すると、永住許可の居住要件(原則10年)が緩和されます。離婚定住や死別定住で定住者になった後、安定した生活を続ければ、永住への道が開けます。2026年10月1日改定の永住許可ガイドライン(2027年4月1日以降の申請に適用)では、最長の在留期間(定住者は5年)を持っていること、世帯人数に応じた収入、年金の見込額、日本語能力B1相当なども考慮されます。手数料も2026年10月1日から20万円です。
当サイトと定住者ビザ専門サイトの役割
当サイトでは、国際結婚に関わる4類型を解説しています。日系人の定住者、定住者の配偶者、定住者告示の各号の詳細、定住者の更新など、国際結婚以外の定住者については、当法人の定住者ビザ申請サポートセンターで解説しています。
よくある質問
Q. 離婚したら、すぐに帰国しなければなりませんか。
A. 離婚から6か月以内に定住者への変更申請をすれば、日本に残れる可能性があります。婚姻期間、生活基盤、子の有無などで判断されます。
Q. 配偶者ビザと定住者ビザは何が違いますか。
A. 配偶者ビザは婚姻の継続が前提で、定住者は婚姻の終了後や親子関係などの事情で認められます。就労や在留期間の扱いはほぼ同じです。
Q. 告示外定住は海外から申請できますか。
A. 原則としてできません。日本に在留している人が変更申請をします。連れ子定住は告示定住に当たる場合があり、海外から認定申請ができます。
Q. 婚姻期間が1年で離婚しました。定住者は取れますか。
A. 婚姻期間だけでは難しい場合がありますが、日本人との間の子を養育していれば実子扶養定住として認められることがあります。個別の事情で判断されるので、ご相談ください。
Q. 離婚後、入管に何か届出は必要ですか。
A. 離婚から14日以内に「配偶者に関する届出」を提出します。この届出を出していないと、在留状況の評価に影響します。
Q. 定住者になった後、永住は取れますか。
A. 定住者として5年以上在留すると、永住許可の居住要件が緩和されます。安定した生活と納税を続ければ、永住申請ができます。
国際結婚に関わる定住者ビザは当法人にご相談ください
当法人は、離婚定住、死別定住、連れ子定住、日本人実子扶養定住の申請を多く扱っています。どの類型で申請するか、申請のタイミング、必要な資料の組み立てまで、状況に合わせて設計します。離婚や死別の後の在留に不安がある方、前婚の子を呼びたい方は、無料相談でお聞かせください。
