配偶者ビザの申請では、夫婦の交際と生活の実態を示す資料として、スナップ写真とメッセージ・通話の記録を提出します。 入管が見ているのは枚数や量ではなく、異なる時期・場所・相手との関係が継続して示されているかです。 この記事では、写真と記録の選び方、出し方の体裁、資料が少ない場合の対応を解説します。
何のために出すのか
入管は、法律上の婚姻だけでなく、夫婦として実際に交際し、生活しているか(婚姻の実態)を確認します。質問書に書いた交際の経緯を裏づけるのが、写真と連絡記録の役割です。
質問書で「2023年に知り合い、年に3回会い、毎日連絡を取っていた」と書いたなら、2023年からの写真、会った時期の写真、毎日の連絡の記録で、その記述を裏づけます。質問書と資料が一致していることが、最も重要です。
スナップ写真の選び方
枚数の目安
入管の案内では、スナップ写真は「夫婦で写っており、容姿がはっきり確認できるもの」を2〜3枚程度とされています。ただし、交際期間が短い、年齢差が大きいなど立証を厚くしたい場合は、10〜20枚程度を時系列で整理して出すことが多くなります。それ以上出しても、効果は上がりません。
選ぶべき場面
次の場面を、時期を変えて揃えます。
- 交際初期に二人で写ったもの
- 相手の親族と会ったときのもの
- 自分の親族に紹介したときのもの
- 結婚式、婚姻届の提出、入籍の記念
- 旅行、記念日の食事
- 日常の生活(自宅、近所、買い物など)
- 友人と一緒のもの
同じ日に同じ場所で撮った写真を何枚も出すより、異なる時期と場面の写真を1枚ずつ出すほうが、交際の継続を示せます。
写っている人
二人で写っている写真が基本です。親族や友人と一緒の写真は、二人の関係が周囲に知られていることを示します。一方だけが写った写真や風景だけの写真は、立証にはなりません。
撮影日と場所
写真には撮影日と場所、写っている人の関係を書き添えます。撮影日は、質問書に書いた交際経緯や渡航歴と一致させます。食い違いがあると、写真より食い違いが問題になります。
加工写真・自撮り
顔の輪郭や肌を変える加工アプリの写真は、本人確認ができなくなるので避けます。加工のない写真を選びます。
自撮りの写真は問題ありません。二人の顔がはっきり写っていれば、撮影者が誰かは問われません。
結婚式の写真がない場合
結婚式を挙げていない夫婦は多く、それ自体は不利になりません。代わりに、婚姻届を出した日の写真、親族との食事会の写真、日常の写真で示します。
LINE・メッセージの記録
選ぶべき部分
全履歴を出す必要はありません。次の節目の記録を選びます。
- 知り合った直後のやり取り(交際の始まり)
- 会う約束をしたときと会った後のやり取り(会った事実の裏づけ)
- 結婚の話が出たときのやり取り
- 親族への報告や結婚準備の相談
- 日常的なやり取り(毎日連絡していることを示す数日分)
各節目について、前後数日分のスクリーンショットを出します。合計で10〜20画面程度が目安です。
スクリーンショットの取り方
- 相手の名前(表示名)と日付が画面に入るようにする
- 日付が画面に出ない場合は、日付が表示される位置までスクロールして撮る
- 画面ごとに、いつ頃の何についてのやり取りかを書き添える
外国語のやり取り
外国語のやり取りには、全文翻訳は不要ですが、何についての会話かが分かる日本語の要約を各画面に添えます。要約がない外国語の画面は、審査官が内容を確認できないので、立証になりません。
通話アプリの履歴
LINE、WhatsApp、Messengerなどの通話履歴は、通話の日時と通話時間が表示される画面を使います。毎日長時間話していたことが分かれば、会った回数が少なくても関係の密度が伝わります。履歴画面を数か月分、まとめて出します。
渡航記録
海外在住の相手と交際していた場合、会った事実を示すのが渡航記録です。
- パスポートの出入国スタンプのページ
- 航空券の控え、搭乗券
- 宿泊の予約記録
渡航日と、写真の撮影日、質問書の記述を一致させます。渡航歴は入管が出入国記録で確認できるので、質問書に書いた渡航回数と実際の記録が異なると、信用を失います。
提出の体裁
時系列で整理する
写真と記録は、交際の始まりから現在まで、時系列に並べます。各資料に番号を振り、一覧表(番号、日付、場所、内容、写っている人)を添えると、審査官が流れを追いやすくなります。
A4用紙に貼る
写真はA4用紙に貼るか印刷し、余白に説明を書きます。1枚に2〜4枚程度が見やすい大きさです。スクリーンショットも同様に印刷します。
原本は手元に残す
提出した写真は返却されません。データや原本は手元に残し、印刷したものを提出します。
写真や記録が少ない場合
交際期間が短い、遠距離で会う機会が少なかった、写真を撮る習慣がなかったなどの理由で、資料が少ない場合があります。この場合は、次の対応をします。
- 少ない理由を質問書や説明文に書く
- 連絡記録で補う(写真がなくても、毎日の連絡は示せる)
- 親族や友人の陳述書で補う
- 申請前に撮れる写真(親族との食事、日常の生活)を撮っておく
- 結婚後の生活の資料(同居の住民票、賃貸借契約書、生活費の分担)で補う
資料が少ないことを隠して、他人の写真や合成写真を出すと、虚偽申請になります。少ない理由を正直に説明し、他の資料で補うほうが、審査には通ります。
更新時の写真・記録
更新申請では、前回の申請以降の生活の実態を示します。前回と同じ写真を出しても意味がないので、この1年の写真(日常、旅行、親族との交流)を数枚添えます。更新では初回ほど多くの資料は不要ですが、別居中や事情の変化がある場合は、初回と同程度の資料を出します。
よくある質問
Q. 写真は何枚出せばよいですか。
A. 入管の案内では2〜3枚ですが、立証を厚くしたい場合は10〜20枚程度を時系列で出します。枚数より、異なる時期と場面が揃っているかが重要です。
Q. LINEの履歴は全部出すのですか。
A. 全部は不要です。交際の始まり、会う約束、結婚の話、親族への報告などの節目を選び、10〜20画面程度を出します。
Q. 外国語のやり取りは翻訳が必要ですか。
A. 全文翻訳は不要ですが、各画面に何についての会話かの日本語要約を添えます。要約がないと立証になりません。
Q. 加工アプリで撮った写真しかありません。
A. 本人確認ができない加工写真は避けます。申請前に加工のない写真を撮っておきます。
Q. 結婚式をしていません。不利ですか。
A. 不利ではありません。婚姻届を出した日の写真、親族との食事、日常の写真で示します。
Q. 写真がほとんどありません。
A. 少ない理由を説明し、連絡記録、陳述書、結婚後の生活の資料で補います。申請前に親族との食事などの写真を撮っておくことも勧めます。
立証資料の整理は当法人にご相談ください
当法人は、配偶者ビザの立証資料の選び方と整理を、申請ごとに組み立てています。手元の写真と記録を確認し、質問書の記述と一致するように時系列で整理し、不足があれば補う方法を提案します。どの写真や記録を出せばよいか迷っている方は、無料相談でお聞かせください。
