特定技能で在留中に日本人と結婚した場合、配偶者ビザへの変更申請ができます。技能実習と異なり、特定技能からの変更に制度上の制限はありません。 ただし、受入企業との雇用契約や登録支援機関との関係を整理したうえで、変更のタイミングを決める必要があります。 この記事では、技能実習との違い、受入企業との関係、変更申請の進め方、変更しない選択、審査で見られる点を解説します。
技能実習との違い
技能実習は、実習計画の修了と帰国を前提とした制度のため、実習途中の配偶者ビザへの変更は原則として認められていません。
特定技能は、人手不足分野で即戦力として就労する在留資格で、本人の意思で転職や退職ができます。配偶者ビザへの変更にも制度上の制限はなく、日本人との婚姻を理由に通常の在留資格変更許可申請ができます。
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項目 |
技能実習 |
特定技能 |
|---|---|---|
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配偶者ビザへの変更 |
原則不可(修了後に帰国して認定申請) |
可能 |
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転職 |
原則不可 |
同一分野内で可能 |
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退職 |
実習の中止になる |
本人の意思で可能 |
技能実習を修了して特定技能に移行した方が日本人と結婚した場合も、特定技能からの変更として申請できます。
受入企業との関係
雇用契約の扱い
特定技能の在留資格は、受入企業との雇用契約に基づいています。配偶者ビザに変更しても、雇用契約をそのまま続けることはできます。配偶者ビザには活動の制限がないので、同じ企業で同じ仕事を続けても問題ありません。
ただし、配偶者ビザに変更すると、特定技能の制度上の義務(受入企業の支援義務、登録支援機関の支援、定期届出)はなくなります。受入企業にとっては、特定技能の受入れ人数の枠から外れ、支援の義務もなくなるので、変更を伝えたうえで雇用を続けるかを相談します。
退職する場合
配偶者ビザへの変更に合わせて退職する場合、雇用契約の終了時期と変更申請の時期を調整します。特定技能のまま退職すると、在留資格の活動を行っていない状態になり、3か月以上続くと在留資格取消しの対象になります。退職前に変更申請をするか、退職後すぐに申請します。
退職後に申請する場合は、日本人配偶者の収入や預貯金で生活の見込みを示します。
登録支援機関への連絡
登録支援機関に支援を委託している場合、配偶者ビザへの変更を支援機関に伝えます。支援機関は、特定技能外国人の在留資格が変わったことを把握し、受入企業への届出を整理します。
変更申請の進め方
申請のタイミング
特定技能の在留期限内であれば、いつでも変更申請できます。期限内に申請すれば、審査中は特定技能の在留が続きます。不許可になった場合も、期限内であれば特定技能のまま在留できるので、期限に余裕を持って申請します。
特定技能1号の在留期間の上限は通算5年です。上限が近い場合は、上限前に変更申請をします。上限に達すると特定技能では在留できなくなるので、変更申請のタイミングが重要です。
必要書類
- 在留資格変更許可申請書
- 写真
- パスポート、在留カード
- 日本人配偶者の戸籍謄本(婚姻の記載があるもの)
- 住民票(世帯全員)
- 本人または日本人配偶者の在職証明書、課税証明書、納税証明書
- 質問書
- 二人の写真、交際の記録
- 身元保証書
特定技能で就労中であれば、本人に収入があるので、本人を生計維持者として申請できます。
審査で見られる点
通常の配偶者ビザの審査と同じで、婚姻の実態、生活の安定、在留状況が見られます。特定技能での在留中の状況(納税、届出義務の履行、受入企業との関係)も確認されます。
特定技能の前に技能実習で在留していた場合、技能実習中の状況(失踪歴、資格外活動)も確認されます。
変更しない選択
日本人と結婚しても、特定技能のまま在留を続けることはできます。次の場合は、変更しない選択も考えられます。
- 特定技能2号への移行を目指しており、2号の要件(技能試験の合格、実務経験)を満たす見込みがある
- 現在の仕事を続けることに問題がなく、転職の予定がない
- 結婚直後で、婚姻の実態の立証がまだ薄い
特定技能2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も認められるので、2号への移行を目指す場合は特定技能のまま続ける意味があります。ただし、2号の対象分野と要件は限られています。
配偶者ビザに変更すると、就労の制限がなくなり、分野外の仕事や起業もできます。永住申請の居住要件も、日本人の配偶者として緩和されます。長期的に日本で生活するなら、配偶者ビザへの変更が有利な場合が多くなります。
出会いの経緯で見られる点
特定技能外国人と日本人の結婚は、職場での出会い、同じ地域での出会い、SNSでの出会いが多くなります。受入企業の社員や経営者との結婚の場合、交際の経緯が丁寧に確認されます。特定技能の在留を続けるための婚姻と疑われないよう、交際の記録と親族への紹介の記録を厚く示します。
本国の家族との関係
特定技能外国人の多くは、本国の家族に送金しています。配偶者ビザの申請では、送金が世帯の生活費を圧迫していないかが見られることがあるので、世帯の収支を説明します。本国の家族が婚姻を知り、了解していることを示す資料も添えます。
よくある質問
Q. 特定技能から配偶者ビザに変更できますか。
A. できます。技能実習と異なり、制度上の制限はありません。通常の在留資格変更許可申請をします。
Q. 変更したら、今の会社を辞めなければなりませんか。
A. 辞める必要はありません。配偶者ビザには活動の制限がないので、同じ会社で同じ仕事を続けられます。受入企業に変更を伝え、雇用の継続を相談します。
Q. 受入企業に結婚を伝える義務はありますか。
A. 法律上の義務はありませんが、配偶者ビザに変更すると特定技能の枠から外れるので、変更の前後で伝えることを勧めます。
Q. 特定技能1号の5年の上限が近いです。
A. 上限前に変更申請をします。上限に達すると特定技能では在留できなくなるので、早めに準備します。
Q. 特定技能のままでいる選択はありますか。
A. あります。特定技能2号への移行を目指す場合や、現在の仕事を続ける場合は、変更しない選択も考えられます。
Q. 技能実習から特定技能に移行して、その後結婚しました。
A. 特定技能からの変更として申請できます。技能実習中の在留状況も確認されるので、経歴を整理して説明します。
特定技能からの配偶者ビザ変更は当法人にご相談ください
当法人は、特定技能で在留中に結婚した方の配偶者ビザへの変更申請を多く扱っています。受入企業との関係の整理、変更のタイミングの判断、変更しない場合との比較まで対応します。在留期間の上限が近い方は、早めに無料相談でお聞かせください。
